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Title : HOMER FAQs
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HOMER FAQs

 2006/11/16 時点での本家サイトにおける FAQ の翻訳。

Q.HOMER はおいくらですか?

A. 無料です! 登録してソフトウェアをダウンロードすればもうあなたのものです。6か月ごとにライセンス期限は切れますが、簡単なアンケートに記入してもらうだけで無料かつ無期限にライセンスを更新できます。

Q.これはデモ版ですか? それとも製品版ですか?

A. 本物です(It's the real McCoy.)。HOMER をダウンロードすれば全機能が利用できます。

Q.HOMER が稼動するOSは?

A. HOMER は 32-bit Windows 実行ファイルです。Windows 95, 98, ME, 2000, XP 上で稼動します。

Q.Macintosh バージョンはありますか?

A. ありません。けれども Macintosh 上で Windows エミュレータを起動すれば、その上で稼動させることはできます。

Q.HOMER は系統連係システムをシミュレートできますか?

A. できます。回路図で Grid を追加して、Grid Inputs ウィンドウを開き、"Grid-connected system" を選択するだけです。システムは系統から電力を売買することができます。ネットメータリングをモデル化することもできます。詳しい説明は "grid inputs" を見てください。

Q.複数の発電機をもつシステムをモデル化できますか?

A. はい、3基の発電機まで追加できます。それぞれ異なる容量・費用・燃料であってもよいし、全部同じであってもかまいません。HOMER は経済的に最適な方法で発電機を充当します。すなわち各時間に対し、負荷に見合う最も廉価な費用で発電機(または発電機の組み合わせ)を選択します。機器更新・O&M・燃料費用や、(もしあれば)各発電機からの排熱回収熱の値も考慮のうえ計算します。

Q.燃料電池をモデル化していますか?

A. はい。発電機を追加して、 DC 発電を行うように設定して、適切な費用と燃料曲線データを入力すればできあがりです。
 燃料曲線を設定するには、燃料タイプを選択することから始めます。燃料電池が天然ガスで稼動するなら、燃料タイプ(fuel type)ドロップダウンボックスで "Natural gas" を選択します。燃料曲線の傾きと切片を入力します。切片が 0 で傾きが 0.2 m3/hr/kW であれば発電効率は50%以上で、いいデータがなくとも極めてよい推定ができます。詳しくは燃料曲線の入力に関するヘルプを参照してください。
 燃料電池が、どこかで生成されある価格で提供される水素で稼動するなら、独自燃料として登録し(Generator Inputs ウィンドウで New ボタンを押し)、それを "Hydrogen" と呼び、 LVH を 120 MJ/kg に、炭素含有率(carbon content)を 0% に設定してください。すると Generator Inputs ウィンドウ を閉じたら Hydrogen ボタンが回路図の Resources セクションに表示されているでしょう。そしたら水素価格を入力するためにボタンをクリックしてください。
 (負荷を超過する電力で電気分解を行うことで)水素を生成し燃料電池で利用するために蓄積するスタンドアロンシステムをモデル化することもできます。例としてサンプルファイル "Telecom site with hydrogen storage" をダウンロードしてください。
 熱負荷に応じるために燃料電池からの排熱を利用することを検討するなら、燃料電池の熱回収効率を0でない値に設定してください。60% に設定したら、燃料電池で生成された熱の 60% が熱負荷への供給に利用可能であることを示します。回路図に熱負荷を加えておくことも忘れないでください。

Q.蓄電池のない風力・ディーゼルシステムをシミュレーとできますか?

A. できます。風力・ディーゼルシステムをモデル化するために HOMER 2.0 には2つの機能が追加されています。1点目は風力・ディーゼルシステムでは1基以上のディーゼルを用いる傾向があるため、複数の発電機をモデル化できるようにした点です。2点目は発電機を割り当てる際に予備力(operating reserve。運転予備力;spinning reserve と呼ばれることもあります)を想定している点です。電力負荷及び風力発電量の関数として予備力を設定することができます。詳細な説明はヘルプファイルで "operating reserve" の項を確認してください。

Q.しばらく Ver. 1.58 を使っていたのだけれど、Ver. 2 にバージョンアップすべきですか?

A. そうです! Ver. 2 では系統連係システム・蓄電池のない風力−ディーゼル・複数の発電機のあるシステムなど Ver. 1.58 では対応していなかった多くのタイプのシステムをモデル化することができます。これらの機能が必要ないとしても、ユーザインタフェースは向上していますので Ver. 2 にバージョンアップすることには価値があります。ウェブサイトの User Interface ページをご自身でご確認ください。

Q.予備力(operating reserve)とは何ですか?

A. 予備力(operating reserve)とは電力需要の突然の上昇または再生可能エネルギーによる発電における急峻な下落などに即時に対応するために準備しておく余剰の能力・容量のことです。予備力は電力負荷や再生可能発電供給量の変動にもかかわらず電力供給を信頼できるものにするための安全幅を提供します。
 運転予備力(Spinning Reserve)のほうが同じ意味でより一般的な用語かも知れませんが、私たちは蓄電池や燃料電池など、系統電力に予備力を提供するもので通常のタービンや発電機とは違って「スピン」しないものにも適用できるという理由で operating reserve と呼んでいます。
 ほとんど全ての発電システムは、電力負荷によくある短時間の急激な変動のために一定量の予備力を保持する必要があります。予備力がなければ、時々発生する突然の負荷増加のためにシステムの容量を超過してしまい、照明が消えてしまうと言ったことが起こります。風力や太陽光をエネルギー源として含む発電システムでは、これら再生可能エネルギーによる電力供給の急峻な低下に対応するための追加的予備力が必要です。
 定格容量以下で稼動中の発電機は、負荷の増加に対応するために極めて速く出力を増加させられるので予備力を提供できます 75 kW を発電中の 100 kW 発電機は、負荷が増大しても 25kW までは対応できるので 25 kW の予備力を提供できることになります。しかし稼動していない発電機は予備力を持つとは見なしません。システムが瞬時に負荷に対応するように発電機に指示を出せないからです。(その発電機はまず起動し、余熱し、同期しなければなりませんから。)
 発電システムが提供すべき予備力の量を指定するために Constraints ウィンドウには4つの入力が可能です。例えば 10 kW の太陽光発電と 25 kW のディーゼル発電機からなるシステムを考えましょう。Constraints ウィンドウで負荷の 10% 、太陽光発電 20% と設定したとしましょう。ある時間帯に着目したとき、負荷が 20 kW で太陽光発電が 5 kW だとすると、必要な予備力は (0.10)(20 kW) + (0.20)(5 kW) = 3 kW となります。一方、ディーゼル発電機は 20 kW - 5 kW = 15 kW で発電し、定格容量よりも 10 kW 少ない出力になるので 10 kW の予備力となります。この値は必要な量の 3 kW を超えているので容量不足(capacity shortage)にはなりません。

Q."capacity shortage" って何ですか?

A. えー、造語です。でもとってもいいでしょ!
 負荷と必要な予備力を供給できないとき、発電システムは「容量不足(capacity shortage)」を経験します。 デフォルトでは HOMER は容量不足が発生すると実行不可能と見なします。しかし検討対象のシステムにとって適切なのであれば容量不足を許容することもできます。容量不足とは何かを知ることはHOMER がそれをどのように計算しているかを知ることでもあります。
 HOMER は時間単位のモデルであるので、年間 8,760 の各時間帯に容量不足の量を計算します。例えばある時間帯で 40 kW の負荷と 15 kW の必要な予備力が指定されたとします。するとシステムが容量不足に陥らないようにするには1時間に少なくとも 55 kW を発電しなければなりません。システムに 75 kW 発電機が設置されていれば容量不足はおきません。その発電機は 40 kW の負荷に対応し、35 kW という要請以上の予備力を提供できます。しかしシステムに 50 kW 発電機しかなければ、発電機は 40 kW の負荷には対応できても、予備力は 10 kW しか拠出できません。5 kW 足りないわけですから、この時間帯の容量不足は 5 kW となります。容量不足は需要を満たせない場合にも発生します。ここでの例で言えば、もしシステムに 35 kW の発電機しかなければ、そもそも負荷 40 kW のうち 35 kW しか供給できず、要請されている予備力 15 kW には全く対応できません。この場合の容量不足は 20 kW になります。
 このような計算を HOMER は毎時間帯について行います:

  1. 時間帯ごとに予備力を計算する。これは負荷と再生可能エネルギーによる発電の関数で、 Constraints ウィンドウにおける入力に従う。
  2. 負荷に要請される予備力を加えて時間帯ごとに要請される容量を計算する。
  3. 時間帯ごとにあらゆる電力源の能力を足し合わせて実際の供給量を計算する。HOMER は異なる構成機器は別々に容量を計算する。例えば 20 kW の発電を行っている 50 kW 発電機は容量を 50 kW と見なすが、 20 kW の発電を行っている 50 kW 風力タービン発電機は 20 kW の容量としか見なさない。
  4. 実際の容量が要請されている容量を上回れば容量不足は0である。そうでなければその差を容量不足とする。

 HOMER は1年を通じた動作状況でシステムの実行可能性を判断する。そのために年間 8,760 時間の容量不足と要請された容量とを計算し、年間総要請容量を年間総容量不足で割った値である容量不足率(capacity shortage fraction)を求める。容量不足率が容量不足条件以下であればシステムは実行可能であると見なす。Constraints ウィンドウで最大年間容量不足量(maximum annual capacity shortage)を0でない値で設定することでこの条件を緩和することができる。

Q.Load ウィンドウ及び Resource ウィンドウにある「スケール年間平均(Scaled annual average)」とは何ですか?

A. この入力により、ベースラインデータの上下のスケールを設定することができます。この値は設定しなくてもかまいません−デフォルトではベースラインデータの平均に設定されます。感度解析を行う際には変更してください。例えば平均風速が 6.5 m/s を示す場所のデータを持っているとして、その場所で風速がもう少し速い場合・遅い場合で風力タービン発電機の稼動がどのようになるかを確認したいとしたら、Wind Resource Inputs ウィンドウを開き、ベースラインデータとして計測値をインポートし、スケール年間平均として 5, 6, 7 m/s を入力します。(2つめ・3つめの値を入力するにはエディットボックスの右の sensitivity ボタンを押します。)それから Calculate ボタンを押せば、HOMER は3つの平均風速値について最適化プロセスを実行します。ベースラインデータをある特定の年間平均にスケールを設定した場合、HOMER は全ての 8760 時間のデータを共通の値を乗じて年間平均を望む値に合わせます。

Q.スケール年間平均の値を入力したときに何も起こらないのはなぜですか?

A. グラフにはベースラインデータ(スケールなしデータ)を表示しているのでグラフには変化がありません。Plot ボタンを押すとスケールデータが表示され、指定したスケール年間平均に従った変化が確認できます。.

Q.データが非対称にならないようにするためにはスケール年間平均をどのように設定すればよいですか?

A. ベースラインデータを凸凹にさせないようにするには、スケール年間平均値はベースラインデータの年間平均値に等しくなるようにするとよいでしょう。デフォルトではそのように設定されています。

Q.季節ごとで変動する電力負荷をどのように設定すればよいですか?

A. 異なる季節に異なる負荷プロファイルを設定することができます。例えば(北半球で)夏用にあるプロファイルを、冬用に別のプロファイルを設定するには、冬用のデータとして1月のデータを入力するとよいでしょう。HOMER は残りのプロファイルを12月までコピーします。次にドロップダウンボックスで月を4月に変え、夏のプロファイルを入力します。すると HOMER は12月までコピーします。さらに10月に変更して冬のプロファイルを設定すると12月までコピーします。

Q.なぜ Component Input ウィンドウに Costs テーブル及び Sizes to Consider テーブルの両方があるのですか?

A. Costs テーブルは構成機器の費用を指定します。Sizes to Consider テーブルでは HOMER 最適システム探索のための容量を設定します。2つのテーブルにおける容量(sizes)は対応していますが、必ずしも一致している必要はありません。

Q.太陽光発電パネルの温度依存性を考慮していますか?

A. 考慮していません。HOMER は単純に太陽光発電パネルに直接照射する日射量に比例して発電することを想定しています。高温時に減衰する量を考慮するために100%以下の減衰率(PV derating factor)を設定することはできます。しかし減衰率は年間の全ての時間で同じ値をとります。

Q.太陽光発電システムに対して最大電力点追従(MPPT; maximum power point tracker)制御を行っていますか?

A. はい。実際、最大電力点追従制御を行うことを仮定しています。

Q.蓄電池の寿命を計算できますか?

A. HOMERでは蓄電池にある一定のエネルギー量を通過した時点または電池寿命(float life)の終了時点のどちらかの早いほうに達した時点で機器更新されると仮定しています。その機器更新されるまでに蓄電池に流れるエネルギー量のことを生涯処理量(lifetime throughput)と呼んでいます。HOMER ではその値は定数で、充放電サイクル深度・充放電比率・異なる蓄電状態における経過時間総量・外気温を含めその他全ての特性値と無関係であると仮定しています。電池寿命は製品としての寿命(shelf life)と言う意味で、蓄電池の寿命の上限のようなものとして機能します。電池寿命が5年なら、5年経てばもはや機器更新されるものとして蓄電池は2度と使われません。

Q.蓄電池の温度依存性を考慮していますか?

A. 考慮してません。

Q.独自の風力タービン発電機をリストに追加できますか?

A. できます。Wind Turbine Inputs ウィンドウで "New" をクリックし、新しい風力タービン発電機の属性を入力してください。発電曲線(Power curve;発電出力と風速の関係を示すグラフ)を特定する必要があります。

Q.独自の蓄電池を追加できますか?

A. できます。Battery Inputs ウィンドウで"New" をクリックし、新しい蓄電池の属性を入力してください。容量曲線(capacity curve;容量と放電電流の関係を示すグラフ)・ライフタイム曲線(lifetime curve;サイクル回数とサイクル深度の関係を示すグラフ)を含む多くのデータを入力する必要があります。しかしいったんこの作業を行えば蓄電池型のライブラリに新しい蓄電池を追加することができます。Battery Inputs ウィンドウで "Battery type" のドロップダウンボックスで確認することができます。

Q.独自の燃料を追加できますか?

A. できます。Generator Inputs または Boiler Inputs ウィンドウで "New" をクリックするだけです。

Q.夜間はディーゼル発電機を停止するように設定できますか?

A. できません。将来のバージョンでこの機能を追加できればいいんですけど。

Q.HOMER の計算結果を報告書にエクスポートできますか?

A. できますよ。感度分析または最適化の結果表は、表の右上の Export ボタンを押すことでテキストファイルにエクスポートすることができます。任意のグラフも、その上で右クリックするかクリップボードにコピーしてファイルに保存することもできます。

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Updated : 2006/11/24