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Title : Chapter 9 / Circuit Analysis
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Chapter 9 / Circuit Analysis

 ある回路において、それぞれの岐路における電流や節点における電圧を求めることを回路解析という。この方法には、回路に流れる電流に着目する網目電流法(Mesh Current Method)と、回路上の節点における電圧に着目する節点電圧法とがある。

網目電流法

 網目電流法とは、閉回路で還流する電流(これを網目電流または閉路電流 Loop Currentと言う)を想定し、これを未知数とする連立方程式を立てて解く方法である。例えば以下のような回路を想定し、電圧とインピーダンスが所与であるとする。

Loop

 それぞれの閉回路については一周したときに各回路素子におけるインピーダンス降下の和が電圧源のフェーサ和になることを想起しながら式を立てればよい。したがって以下の式を得る。

Loop Analysis

 なお、閉回路の取り方は一意ではないので、得られる式も一意ではない。しかし全ての回路素子について一度は網目電流が通ることと、2つの岐路に2つの網目電流が流れないようにすることには留意する必要がある。また必要な網目電流の数は以下の式で与えられる。

[必要な網目電流の数]=[岐路の数]−([節点の数]−1)

節点電圧法

 網目電流法では閉回路を想定しキルヒホッフの電圧法則を適用して方程式を解いている。これに対してキルヒホッフの電流法則を適用して解く方法もある。これを節点電圧法と言う。
 回路において複数の回路素子が接続されている点を節点と呼ぶ。さらに3つ以上の回路素子が接続されている場合には基本節点または節合点と呼ぶ。また回路内では電位差だけが問題になるので、ある基準となる節点を定めてそこからの電位差を節点電圧と呼ぶ。以下のような回路では接地されている点0を基準節点とするのが自然である。

Loop

 節点1における電圧を V1、節点2における電圧を V2とすると、それぞれの節点における電流の流出の総和が0でなければならないことから以下の式を得る。

Loop Analysis

 未知数が V1・V2であることと、インピーダンスの逆数はアドミッタンスとして Y=1/Z として書き換えると次の式を得る。これを節点電圧方程式と言う。

Loop Analysis

 なお、基準節点以外の全ての基本節点について方程式を立てるので必要な節点電圧式の数は以下の式で与えられる。

[必要な節点電圧式の数]=[基本節点の数]−1


第8章:直列及び並列共振 → 第10章:テブナンの定理・ノートンの定理
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Updated : 2007/04/12