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Title : 5 years after
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Contemporary Files #20000124
神戸
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 もう、あれから5年も経ってしまったのか、と思ってしまう。

 テレビや新聞では、特集を組んで5年で神戸がどこまで復興したか(もしくはしていないか)を扱っていた。最後の仮設住宅の住人が新たな住居に引っ越したのもタイミングがよすぎるような気もする。

 私の知人で神戸に住んでいて、その後、神戸を離れてしまった人が何人かいる。
 幸いにも−という言い方は、被災者には冷酷なのかも知れないが−私の知人には大きな被害に遭わなかった。家屋が全壊したり、家族が亡くなったりということはなかった。それでも、神戸を離れているのだ。

 正確に言えば、私の知人の年代から言えば、5年前は独身だったが、地震をきっかけとして、独りで住むことの「恐怖」から、結婚を急いで(…というか、予定を大幅に早めて)いっしょに住むことを選択する人が多かったということだ。しかし、その際の住居としては、神戸を選ばない。

 関西地方でない人にはなかなか説明しにくい感覚なのだが、阪急沿線(まあ、関西では上品なイメージがある)で生まれ育った人間は、引っ越しても阪急沿線から離れないという「定説」が流通しており、ほぼ事実だったように思うのだが、これすらも守られていない。

 どういう心理なのか、よくはわからない。
 しかし、何か、遠心力が働いている。「求心力」の対語としての「遠心力」だけでなく、「心を遠のかせる力」が。


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Updated : 2000/01/24