Part1 聖ティトゥス修道院にて
Part1-4 修道院長の賭け(1)
ザック修道士「最終ラウンドに向けて動きます!」
ザビエル修道士
「修道院長、あまり良いセッションではありま
せんでした」
「平均よりわずかに上です」
修道院長は諦めた表情でうなずきました。
数年前なら、修道院長とザビエルのペアは、修道院ペアの中ではトップ3の常連でした。
最終ラウンドの対戦相手が、年間を通じてのランキングが低下しているペアであることが分かったとき、
修道院長のやる気が上がってきました。
修道院長「二人とも良いセッションしてる?」
アエルレッド修道士
「おかしいですね、そんなことを聞くのは
どうかと思いますよ、修道院長」
「素晴らしいセッションでした。
今夜はすべてがうまくいっています」
マイケル修道士
「Aが2枚無い状態で、スラムをメイクした
こともありました」
これが最終ラウンドの最初のボードでした
コントラクト:5♣
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Wのザビエル修道士は、♥Tをリードしました。
さあ、何も問題が起こらないように、最後までプレーを計画しなければ!、とアエルレッド修道士は思いました。
トランプのフィネスが外れたら、守備側は♠をK,A
と2つキャッシュするだろう。(1ダウンになる)
だからダミーで勝って、♦A,K,Qをキャッシュして♠を3枚ディスカードしよう。
それからオーバートリックを狙って、♣のフィネスをしよう。
そう、それで行こう。
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・「♥Kお願いします」とアエルレッド修道士。
・続いて、♦K,Aと取りました。
両ディフェンダーは♦をフォローしました。
そしてディクレアラーは♠を2枚捨てました。
・「♦Q、お願いします」と続けました。
ここで問題が発生しました。
・Eの修道院長がラフ、
Sのディクレアラーはオーバーラフ。
ここで♣のフィネスをするためにダミーに戻るエントリーがないことに気づきました。
最初の♥のをKではなく「J」で勝つべきだった。
そうすれば♥Kがダミーへのエントリーになった。
・ディクレアラーのアエルレッド修道士は
少し恥ずかしそうな顔をして、
切り札の♣Aをテーブルに置きました。
そうすると♣KがWから出てきました。
・トランプを狩り切って、11トリック勝ち、
5♣5メイクの結果になりました。
ザビエル修道士は悔しそうに首を横に振りました。
「1♠のオーバーコール (リード指定)をしていた
らダウンでしたよ! 修道院長」
「もし我々が♠を2つキャッシュから始めれば、
彼は切り札のフィネスするに違いない。
それで1ダウンだった」
「なんてバカバカしい」と修道院長。
「♠のA,K,Qを持っていたら、ディクレアラーは
私が♣Kを持っていないことが分かるでしょう。
「その通りです」ザビエル修道士も同意しました。
「それでも、もしかしたら♠の在処を隠すことは
できるかもしれません。
私は♠3をリードします。
♠Aで勝って、♠Qを出して勝ち、
そして♥にシフトすることもできます」
「なるほど」と修道院長。
そこで修道院長は身を乗り出して得点表を調べ、
「他のペアは全て3NT でプレーしています」
「1♣-1♦-1♠と普通に始まった後、
Nは 3NTをビッドしたんでしょう」
「そんなはずはないですよね?」
困惑したエルレッド修道士は尋ねました。
「私の♠は4~9でした。
これはビッドできるスートではないですよね!」
「いや、確かに」
マイケル修道士も同意しました。
「そのようなスートをビッドしたら、
Eはペナルティーダブルを掛けませんか?」
プレイヤーは次のボードのカードを取り出しました。
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