Part1 聖ティトゥス修道院にて
 Part1-3 アエルレッド修道士のダブルポインター(3)



West
スマイリー
夫人
North
マイケル
修道士
East
スマイリー
South
アエルレッド
修道士
 -  -  1♠  2
 P  2  P  2NT
 P  3  P  3NT
 All pass

コントラクト:3NT
=====

前回と同じメンバーで次のボードになりました。

オープニングリードをするスマイリー夫人は、スーツに希望の目を向けていました。
のリードは魅力的であり、普段なら間違いなくそうしていたでしょう。

しかし、ジョン・スマイリー卿は自分のビッドしたスーツがリードされなかったとき、かなり機嫌が悪くなる傾向がありました。
以前同じような事があったとき、丸一週間、彼は家の東棟に引き籠ってしまったのです。

・小さなため息をつきながら、
 スマイリー夫人は♠9をリードしました。

デクレアラーのアエルレッド修道士が♠Qで勝ち、
・すぐにを全て取り、
 ハンドからは♠を2枚と♣を1枚捨てました。
 一方、Eは♣9と♣2を捨てました。

ディクレアラーのアエルレッド修道士は、
をエスタブリッシュする必要がありました。
・それで、ダミーからをリードし、
 Eは4をプレイしました。

ハンドからどのカードをプレイすべきか、
アエルレッド修道士は悩みました。
Eがでオープンしているので、
AはEが持っている可能性が高かった。
そう、Kを出すのが正しいはずだ、と考えました。
・そしてKを出し、そのトリックを勝ちました。
・続く2回目のは、EのAが勝ちましたが
 WからはQが落ちてきました。

アエルレッド修道士は勝ち誇って残りのカードに向かいました。そして、
「♠Aに負けて、残りは全て勝ちます」と宣言しました。

「本当によくやったよ、パートナー」と、マイケル修道士は大喜びで叫びました。
「2をパスしなくてよかった。
 危うくパスするところでした」

スマイリー卿はそのボードにあまり興味はありませんでしたが、「6枚♣で、QJTまで持っていたの?」と叫んだ。
♠をリードなんて、何を考えているんだ?」
♣から始めれば簡単にダウンさせれた」

「実際のところ、♠のリードでもまだダウンさせることができます」と、
帰り際に立ち寄った修道院長が言いました。
デクレアラーがを取っているときに、
 ♣2枚とAを捨てなければなりません。
 スローインを防ぐために!」

スマイリー卿とスマイリー夫人は修道院長を睨みつけました。
この見知らぬ男がプレーについてコメントするとは、ぞっとするほどマナーが悪いなぁ。

「見えますか?」修道院長はスマイリー卿の肩を軽く押しながら続けました。
「デクレアラーは、あなたのパートナーに
 リードを与えずにをエスタブリッシュする
 ことはできません」
「パートナーがで勝った後、♠をプレーする
 と、あなたは ♠で4リック勝て、
 3NTは1ダウンになります」

「無礼に思われたくないのですが、
 そうしていれば本当に良かったのですが…」
とスマイリー卿。

「もちろん、アエルレッド修道士はプレーを間違うかもしれませんが・・・」と修道院長。

「ダミーに向けて5を出してKで勝ち、
 その後にKに向けて3をリードしても、
 あなたにできることは何もありません。
 で5勝、で2勝、そして 黒いスーツで
 2勝、3NTはメイクします」

スマイリー卿は立ち上がり、修道院長の上から叫びました。
「これはまったく耐え難いことだ」
「聖職者であろうとなかろうと、私や妻、
 対戦相手にプレイ方法を説教するなんて!」

修道院長は数回瞬きをした後、衝撃を受けて退却しました。

スマイリー卿は席に戻り、友好的な態度でアエルレッド修道士の方を向きました。
アエルレッド修道士は、
「さて、あなた方は最後のハンドをかなりうまくプレーしたと思います」
「9トリック、ジャストメイクでしたね」


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