Part1 聖ティトゥス修道院にて
 Part1-3 アエルレッド修道士のダブルポインター(2)



West
スマイリー夫人
North
マイケル
East
スマイリー卿
South
アエルレッド
3♣ 3♠
4♣ 4♠
 All pass

コントラクト:4♠
=====

・スマイリー夫人は、♣Aをリードしました。

ダミーを見て、「あ~あ~!、良いビッドかな?」と
アエルレッド修道士は言いました。
マイケル修道士は、ハンドをオープンしながら
「Aを持ってないんです」と応えました。
アエルレッド修道士はこの弱々しい説明に怯みました。そして、
「だから、ブラックウッドでAの枚数を訊く必要があるのでは!」と言い放ちました。

「コントラクトは何ですか?」アエルレッド修道士の後ろから不愛想な声がしました。
「ああ、修道院長、ビックリしました」とアエルレッド修道士。
「それは... えー...4です。」
「4!って言いましたか?」修道院長は叫んだ。
「ああ、気にしないでください。続けましょう。」

・Wのオープニングリードは♣A
・アエルレッド修道士は♣がボイドなので、ラフ
・そしてトランプの♠A,Qで2回勝ちました。
・Wは2ラウンド目で♠がショウアウト。

これはちょっとした幸運だな、とアエルレッド修道士は思いました。
が4-1の分かれなら、スラムのチャンスはない。

ここでアエルレッド修道士は立ち止まって次のプレーを検討しました。
ハンドの切り札はKと8、EはJとTです。

・Nからクラブを出し。♠8でラフ
 8は、のラフに使わなければルーザーの
 はずだった!
 一人で幸せそうに微笑んでいました。

さて、次に何をしょうか?
Eの切り札は2枚、自分のハンドの切り札は1枚。
コントロールを維持するためにをプレイするのが良いと考えました。

・ディクレアラーはK、Jと続けて出し、
 Eのスマイリー卿はの2ラウンド目をラフ

・Eが次に♣Jを出したとき、
 アエルレッド修道士はミスプレーしたのではない
 か、という漠然とした考えを抱きました。

・ディクレアラーは、最後の切り札♠Kでラフ
・ディクレアラーは、に戻しました。
・Eはそれをラフ
・そして、Eはをリード
 それは、スマイリー夫人がAで勝ち、
 再度を出すのを期待して、でした。

・アエルレッド修道士の最善の努力にもかかわら
 ず、1ダウンでした。
(※中野:♠6勝、2勝、1勝で9勝)

「ブラックウッドをビッドしなくてよかった!」と
マイケル修道士は叱責しました。
「スラムなら3ダウンだったでしょう」

面白がって状況を見守っていた修道院長は、
身を乗り出して言いました。
が正しいコントラクトだ!

簡単なスクイズはあるが、
 ・♣Aのリードをラフし
 ・♥Kに向けて♥2を出し(♥K勝ち)
 ・トランプでハンドに戻り
 ・Qに向けてを出してWのAに負ける
 ・その後は、何がリードされても勝てるので、
  続けてトランプを出していくと
Eはメジャースーツでスクイズにかかります。
従って、6はジャストメイクになります。

スマイリー夫人は不服そうに修道院長を見つめ、それからアエルレッド修道士の方を向いた。
「あなたの友人が試合中ずっと此処にいないことを祈ります」と。
修道院長は口をつぐみました。


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