魔王の住む街・おまけ

<背景>
世界的な自由資本主義への以降
変革を嫌う宗教観の根強い国家との摩擦増大。
経済格差増大。
開発援助をするも一部が富むのみで購買層が増えず
諸外国がいらつき始める。
そのはけ口として宇宙開発本格化、
月面開発、当初は資源開発が目的。
徐々に資源産出国としての開発途上国の価値が下がる。
貧困が広がり、それらの国をいろいろな宗教原理主義が浸食し始める。
それらの変革が徐々に人々の心を変質させる。
富めるものはそうでないものを蔑み
そうでないものは富めるものを憎む。
そして「狂った神々の虐殺」事件。
人口がもとの1割にまでなり、人類の持つテクノロジーの多くが失われる。(100年間)

もとのレベルに戻るのには長いときを必要とした。
それまでの間、再び宗教が人々の心を犯す。(400年間)

救いの手は天空より差し伸べられた。
それは数世紀のあいだ放置された月面よりの救いだった。
開発半ばで突然放棄された月面都市は死に絶えなかった。
絶えざる努力と過酷な選択の末、その精神を、科学力を、
特に情報処理と、精神科学の分野を進化させた。
彼等は機械を手足のように、いや、それ以上に操った。
月面より降りた彼等はその力で、地上を以前以上に発達させ
その資源をもってコロニーを作り、月面をさらに発展させた。(50年間)

それからしばらくは月の人々の支配が続いた。(30年間)

しかし、地上の人々にも多くの科学力が行き渡ったとき
彼等は再び争いを始める、支配からの脱出を名目に
かつての救世主を支配の座から引きずり降ろしにかかったのだ。
彼等から与えられた科学力を駆使し、彼等を責めたてた。
精神力の発達が極度に遅れた地上人には使いこなすことのできない
精神科学の分野の力を駆使し対抗する月の人々。
しかし、数において圧倒的劣勢である彼等はついに
その盟主の座を地上人に明け渡す。
それで飽き足らない地上人は
神を冒涜するものとして純粋な月面人の血を抹殺しようとした。
混沌の時代に人々の心を犯した宗教が月面人を受け入れなかったのだ。
30才を超える者、既婚者をすべて処刑し、
それ以外のものも10親等までの月面人同士の婚姻を禁止。
それにより純粋な月面人はその後1世紀前後で姿を消した。「天使の抹殺」
しかし、彼等の精神科学の産物はいくら研究しても地上人には使えなかった。
純粋な地上人には。(100年間)

そして、人類は再び繁栄し、それとともに忘れてはいけない罪を
歴史の彼方に置き去りにした。彼等には使えぬ技術とともに。
そして、科学は再び歪(いびつ)な進化を遂げる。
いくつものコロニーがこの時期に建造される。
世界は再び主義主張、政治によりいくつかの国家に分かれる。
実質は利益の対立による分割ではあったのだが。
さらに人々の心が制御できぬほどに肥大した情報網。
それらを制御するために生み出される巨大なコンピュータ。
かつて月面人が生み出した技術を人類は凶悪なものに育て上げる。(50年間)

そして、「巨人族の反乱」
完全に機械に支配されようとした人類を救ったのは
かつて放棄された月面人の精神科学の産物と
彼等の血を受け継ぎ、突然変異的に彼等と同じ精神力を持ちえた
人々であった。(3年間)

その恐怖を忘れるまでは人類は歪な進化を遂げた自分たちの科学を修正しようとした。
2つのコロニー群が太陽光エネルギーの供給源という背景を元に国家として独立。
地上の政府が所有する太陽光エネルギー供給源は月面のみとなる。
不足分はコロニー国家よりの輸入にたよる。
地上の天然資源をコロニー群が輸入。経済がまわる。(70年間)

そして世界にかりそめの平和が訪れ、恐怖は忘れ去られる。(ここまで703年間)

<参考資料>
天璽(あまつしるし);三種の神器と十種の神宝
草薙剣(くさなぎのつるぎ);三種の神器。別名、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)
 八握剣(やつかのつるぎ);凶邪を罰したいらげるもの
 蛇比礼(へびのひれ);這う虫を祓いその害を受けたときはそれを癒す
 蜂比礼(はちのひれ);飛ぶ虫を祓いその害を受けたときはそれを癒す
 品物比礼(くさぐさのもののひれ);妖を祓い、邪を退ける働きをもつ
八咫鏡(やたのかがみ);三種の神器。
 澳津鏡(おきつかがみ);姿を映しだしその栄をもたらすもの
 辺津鏡(へつかがみ);姿を映しだしその栄をもたらすもの
八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま):三種の神器。
 生玉(いくたま);生き生きとした活動をもたらすもの
 死返玉(まかるがえしのたま);死者を蘇らせるもの
 足玉(たるたま);その形体を具足させるもの
 道反玉(みちがえしのたま);浮かれゆく魂を返し止めるもの