目蓋をとじて

やまもと雄大

会いたくなったら目蓋をとじて
ソフトな白いスクリーンにあの時の笑顔を映す
ぼんやりと映って
ゆらゆら ゆらめいている
はっきりしないものを幻と言うのなら
愛は幻
一日がおわり
少し疲れた身体を柔かいベッドにおとすと
太陽の匂い
あした目覚めれば
より確かな心に触れられる
より確かな愛に
より確かな君に

一九八七年六月三日