手足の先天異常を、どう治す?
Q1 手足の先天異常とはどのようなものですか?
Q2 どうしてそのような異常ができるのですか?
Q3 いつ、どこで、その手術を受ければいいのですか?
Q4 手袋や包帯でかくしてはいけないのですか?
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Q1:手足の先天異常とはどのようなものですか?

 手・足は指が5本づつありそれぞれに爪があり、均整のとれた形で、関節の動きも十分にあるものを正常とすると、この状態からはずれたものが異常ということになります。それは、小指が少し短いような軽いものから、指が全くなくなってしまったような重度のものまでさまざまです。他にも、指の数が多いもの(多指症)から、指の数が少ないもの(欠指症)、さらに指の長さが短い(短指症)、大きいもの(巨指症)などがあります。


Q2:どうしてそのような異常ができるのですか?

 先天異常の発生原因を知ることはたいへんむづかしいのですが、原因は内因子によるものと、外因子によるものの二つに分けられます。内因子によるものは遺伝性がありますが、外因子によるものにはありません。内因子と外因子との比率については、一般に手足先天異常の20%が内因子、20%が外因子(うち10%はウイルス)と考えられ、他の60%はよくわからない因子とされています。外因子のなかでウイルスが原因となるものは水痘症、麻疹、流行性耳下腺炎、脊髄性小児麻痺、流行性肝炎、風疹などです。


Q3:いつ、どこで、その手術を受ければいいのですか?

 手足の先天異常はいろいろあり、異常の種類、状態によって手術時期が異なります。原則的には、生後の早い時期での手術は避けなければいけません。たとえば、発育旺盛な生後すぐに手術を受け、誤った切開が加えられると、たちまち指の屈曲変形をおこします。また、骨が発育する部分を骨端線といいますが、この部分のわずかな障害も後の発育に大きな影響を与えます。このためいままで一般的に、手術は生後2年以上たってから、とされていました。
 しかし、手術手技の発達、麻酔の進歩などによって現在では、ふつう生後一年前後に、手術ができるようになってきています。先天性絞扼輪症候群で指先がくっついているような場合には、生後できるだけ早く手術しなければなりません。また反対に一年以上待った方がよい場合も多くあります。
Q:どこでちりょうをうければいいのですか?
手の外科が得意な医師のいる病院で治療を受けるのがよいでしょう。手の外科に習熟している医師なら足の先天異常の治療もうまくできるからです。また、手足の先天異常はほとんどが育成医療の対象となりますので、育成医療の指定を受けている医師(育成医療指定機関)を選ぶこともよい方法です。


Q4:手袋や包帯でかくしてはいけないのですか?

 よく人目を避けるように、以上の手に手袋や包帯をしているお子さんを見かけますが、手は使うためにあるのですから、使わないと成長しません。ときには上肢全体の発育障害をきたし、異常そのものによる発育障害よりも高度になる場合もあります。
 また、親があまり神経質になって手をかくしたりすると、こどもも人前に出ることを恥ずかしく思うようになり、結果的に劣等感を持ってしまう恐れもあります。注意してください。このような手足の先天異常の子供は以外と多く、たとえば、多指症は出生1000人に対して1〜2人の割合です。