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Q1 | 火傷の重症度はどのようにして判定されるのですか? | ||
Q2 | 重傷のやけどと思われる場合はどんな病院で治療を受けるのがよいでしょうか? | ||
Q3 | 家庭でできる応急処置について教えてください? | ||
Q4 | 火傷の後遺症にはどんなものがありますか?どのように治療するのですか? | ||
Q5 | どのようなやけどの時に植皮が行われるのですか? | ||
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Q2:重傷のやけどと思われる場合はどんな病院で治療を受けるのがよいでしょうか?
このやけどショックの治療はなかなか難しいものなので、十分な設備と専門科のいる病院への入院が必要です。ショック時期をうまく脱出できてもその後には広い創面が生じ植皮などでカバーしなければなりません。またその後にきず痕の瘢痕のため、関節の動きが悪くなったり、醜い瘢痕ができたりしますので、形成外科のある総合病院が一番適していると思われます。
Q3:家庭でできる応急処置について教えてください?
冷却法で手っ取り早く簡単なのは手足なら水道を流しっぱなしにして、水をかけることです。また、奇麗な容器に水を満たし、浸けるのもよいし、水に浸けられない場所なら清潔なタオルを使って冷やすのもよいでしょう。冷やす温度は、10〜15℃位がよいと言われ時間は10〜20分位が必要でしょう。冷やした後は何もつけないで清潔なタオルで創をおおって病院に行くことです。消毒薬をつけることは必要ありません。強い殺菌力の薬は創に対しても障害があります。今でもやけどに味噌や油をぬって来る人がありますが逆効果ですので絶対にやめてほしいものです。
Q:浅い小範囲のやけどの場合はどうですか。
やけどしたところを水道などでよく洗い流します。その次に、抗生剤の入った軟膏をぬってガーゼをかぶせて軽く圧迫して包帯を巻きます。創からの分泌物がなくてガーゼの表面が乾いているようならば4〜5日してから包帯を交換します。一番下のガーゼが乾いて創にくっついているような時は無理にとらないでそのままにしておいて、その上からガーゼを当ててまた包帯をします。10日ぐらいで自然にガーゼがはがれて行きます。4〜5日後になっても分泌物でガーゼがぬれているような時はやけどが深いか、感染している可能性が強いので素人治療は無理です。必ず医師の治療を受けてください。
Q4:火傷の後遺症にはどんなものがありますか?どのように治療するのですか?
やけどのあとの醜い創痕に対しては、まずしばらく経過をみることが大切です。瘢痕は創が治ってから数ヵ月から一年ぐらいは赤くて盛り上がっていますが、徐々に色が薄くなり、平坦になって目立たなくなってくるのがふつうです。2〜3年待ってそれでも瘢痕が目立つようならこの瘢痕を切り取って植皮をするか、範囲が狭ければ、縫合せるかします。
しかし植皮の場合でも非常にうまくいったとしても、全く自然な状態となるわけでは無く、また皮膚を採ったところの痕の問題もあります。非常に見にくい時は植皮することの利益が大きいのですが、それ程でない場合は植皮に慎重でなければなりません。あまり目立たない創痕の場合、特に露出しない部位の時はむしろ手術を控えるほうがよいように思います。なかなか難しい問題ですので形成外科の専門科に相談されることをおすすめします。
第二の創痕のひきつれの問題です。深いやけどの創面が治る時は、植皮がなされない場合、創が縮んで閉鎖されることになるので、ひきつれることになるわけです。そこでこのひきつれ(拘縮)をとるとなると、思ったより大きな植皮が必要になることが多いものです。この拘縮については新しいやけどの治療の時におこさないようにすることが大切だといえます。しかしいろいろの事情でこの拘縮のおこることは避けられないことも少なくありません。一旦発生したひきつれに対しては、あまり長い期間そのままにしておかないほうがよいでしょう。
Q5:どのようなやけどの時に植皮が行われるのですか?
子どもの時に囲炉裏のやけどで指がくっついてしまった野口英世の話は皆さんご存知のことですが、植皮の技術の進歩した、いまならこのようなことはなかったのではないかと思います。
形成外科の進歩によって植皮の技術も進歩したため、通常の植皮でつかないということは、あまりなくなりました。しかし難しい手術であることはかわりはありませn。皮膚を薄く採って植えたり厚く採って植えたり、いろいろの方法が行われます。
一般的に薄い皮のほうがつきやすいし、皮膚を採ったところも治りやすく痕もほとんど残りません。しかし、植えたところは不自然で外力にも弱いのが欠点です。反対に厚い皮膚を使うとつきにくく、採ったところにも創痕を残しますしかし、植えたところは自然で外力に対する抵抗も強くなります。したがって、やけどの創の状態や部位などを考えていろいろの方法が行われることになります。植皮した場所は約一週間は包帯で圧迫して固定します。皮膚がつけば約一ヵ月でふつうに使えるようになります。