生物種の絶滅

・リョコウバト
  1800年 リョコウバトが渡るときは空は真っ暗になった(50億羽)
        羽布団に、ブタのえさに、面白半分に、次々と殺されていった
  1860年 鳥類保護法が成立したがリョコウバトは除外
  1867年 各州でリョコウバト保護法が成立したが、すでにそこにはリョコウ
        バトはいなかった
  1914年「9月1日午後1時、シンシナティ動物園の鳥カゴの止まり木から最
        後の1羽マーシャが静かに落ちた。この時、リョコウバトは永遠に
        地球から失われた。全米は悲しみに沈んだ」(NYタイムズ)
         ※現在彼女は、スミソニアン博物館にペアで飾られている

・バッファロー
  1800年 茶色の巨大な動物が大地を埋めつくしていた(6000万頭)
       ・面白半分に、インディアン全滅のために次々と殺されていった
  1868年 絶滅寸前に保護に立ち上がった人たちが現れた(3頭が発見された)
    現在  絶滅をまぬがれ6万頭に回復(もとの1000分の1)

・現状の絶滅は過去最大
   気象変動、天変地異などで過去5回、生物の大部分が絶滅した
       (オルドビス期、デポン期、ニ畳期、三畳期、白亜期)
     二畳期(2億5千年前) には90%が消滅
     白亜期(6500万年前)には恐竜など75%が消滅
     しかし現在の絶滅は、過去のどの絶滅よりも急激で大規模に進行している
   これまでは乱獲のための特定種の絶滅だったが、現在は生態系そのものの破壊
   による根こそぎの種の絶滅である

          <絶滅のスピード>
        恐竜時代   0.001種/年
        1万年前    0.01種/年
         千年前     0.1種/年
         百年前       1種/年
        20年前    1000種/年
          現在    10000種/年以上

・絶滅の原因
  ・以前は乱獲が原因であったが、現在は乱開発による生態系の根こそぎの破壊
  ・最大の原因は熱帯林の破壊
   陸上の生態系は森林によって支えられているが、特に熱帯林は生物の宝庫
  ・山の切り崩し、湖沼や河川の埋立、河川や海岸の護岸工事(コンクリート化)
  ・ゴルフ場、リゾート、コンビナートなどの開発、農薬、環境汚染
  ・環境破壊や開発の加速を考慮すると、種の絶滅の加速は予測不可能

・種の絶滅は人類の絶滅
  ・生物は互いに支え合っている。種の絶滅は生態系全体の崩壊を意味し、単に
  「かわいそう」という問題ではなくドミノ倒しのように人類にも追っている。
  ・すでに生態系が弱まり、免疫機能や生殖機能の低下が始まっている。
     (アトピー、アレルギー、ガン、エイズなど)
  ・ターニングポイントに近づきつつある

・必要なこと
  ・生活の中で空気、水、土を汚さないよう心がける
    自動車の利用を減らす/生活排水/ゴミを減らす/過剰な消費をしない
  ・輸入品の利用を減らす。輸入は相手国に徐々にダメージを与える。
  ・環境を破壊するゴルフ場、リゾートの利用を減らす
    日本にはリゾート開発を推進する「リゾート法」はあるが、その環境影響を
    評価する「環境アセスメント法」が無い。
  ・農薬など化学物質の環境への放出を原則として停止
  ・大量消費、大量廃棄を、環境調和社会、自給自足社会に戻す。

    我々は知っている
      すべての生命は、一つの生命の織物であることを
      これを編んだのは我々ではなく、我々は一本の織糸に過ぎないことを
      生命の織り物に対して行なったことは自分自身に降りかかってくることを
             1854年 シアトル酉長がアメリカ大統領に苑てた手紙


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