セネガル対日本、トランプで死闘
食事が終わって昼からはぼんやりタイム。
ぶらぶらと散歩していると、トランプを持っている人をみつける。
「トランプを見せてみろ」その黒人にお願いすると出して来てくれた。
日産のトランプ? なんでこんなもん持ってんねん。
まあ、それはそれとして、手品をいくつか披露する。
手始めにトランプをくちゅくちゅっと折って当てるやつ。
種は簡単だがやり方がうまかったのかなかなか見破られない。
「コンセントレーション:集中力」とか何とか言って思いっきり
演技を入れてやる。
いつの間にか相手は二人になっていたがどちらも分からないみたいだ。
手品はやるだけやって種を見せてもらえないと後味が悪い。
いつもやる度に種を見せてやる事にしている。
今回も種を教えてあげた。しかし、種を教えても信じてくれない。
お前は目を閉じていた、なのに何で見えるのか?
めんどうくさいので「東洋の魔法だ」。
おいおい種はどうしたんだ。
もう一つやってやる。15枚使って3つの山を作るやつ。
黒人が二人見ていたが一人が真似をすると言い出した。
私は3つの山を作ってやったのにこいつはいきなり4つの山を
作って始めやがった。おいおい、どこ見てたんだよ。
このいきなり真似をするやつは少々回転が悪い様に見受けられたが、
もう一人の方はじっと見ている。
お、こいつは考えてるぞ。 調子に乗って次の手品へ。
絵札の上下をひっくり返して当てる手品。
絵札は大抵の場合上下はない。
実は絵そのものではなくて絵と周囲の隙間の幅を見て
上下を決めておくのだが、もう一人の方はその種をじっと考えながら当てた。
日本でもこの種を当てた人はこれまでいなかったので
彼は相当の切れ者だという事だ。
なんだかんだやっていると切れ者の彼がポーカーをやろうと言う。
ええじゃないの。受けて立ってやろうじゃないの。
セネガル−日本対抗ポーカー合戦の始まり始まり。
しかしルールがちと違う。
2から6の札をまず使わない。1と7から13を使うのだ。
まあいいか、それ以外は同じだろう、
という事で何度か遊ぶ。カードが少ないのでペアが出来やすい。
大抵ワンペアは出来ている。
勝負は2ぺア以上でないと勝てない場合が多い。
何度か勝ったり負けたりしているうちに、物をかけようぜという事になった。
「俺はラジオをかけるからお前は帽子をかけろ」
この時点でこの人は知識層に入る人で、言っている事はしゃれだから
乗っても大丈夫という認識が出来ていたので軽く相手に乗ってやった。
ラジオを取ったり帽子を取られたりしているうちに、
指輪をかけるからお前もかけろと来た。
「駄目だ。これはエンゲージだから賭けられない。」
と言うと、「駄目。俺のもそうだ」と言う。
「よっしゃ。そこまで言われてやらん訳には行かんがな。
この勝負受けてたったろうやないの」お調子者の私はうかつにも
勝負に出てしまうのであった。
気合を入れて引いた札であったが、悪い手。
やばいなあ、と思っていると案の定負けてしまった。
ありゃりゃりゃ。カミサンをセネガルに取られてしもた。
こらあかん、と次の勝負は真剣。カードを引く手も震えるが、
なんとか勝ってカミサンを取りかえす。
遊びとは言えカミサンを取られたまんまは気持ちが悪い。
「セネガルではポーカーでカミサンをやり取りするんだ、
だからあんたのカミサンは私の物ね」、なんて調子で来られても
困るのである。
こんな調子でポーカーは延々と続けられたのであるが、
途中で役の決め方でもめるシーンがあった。
彼が9のワンペア。私がJのワンペア。ほ〜れワシの勝ちじゃ、
と言うと「違う」という。何が違うねん。
9よりJの方が強いに決まってるやんけ。
と説明するが分かってもらえない。
よく聞いてみるとこうだ。7と8と9と10はそのままの値であるが、
Jは11ではなく強い8だという。同じ様にQは強い9、Kは強い10らしい。
だからって8、8、Jがあったら3カードになるかというとそうではないらしい。
その理屈で9とJでは9の方が強いんだと言う。
ああそうでっか。所変れば品変る。
品は変らなかったがルールが変ってしまった。ま、そら仕方がないわ。
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