ダカールの市場(ケルメル市場)

タクシー市内視察でまず行ったのがケルメル市場。
ダカールの中心にあり市民の市場として親しまれている。
円形の建物で直径が30メートル高さが15メートル位の大きさ、
結構大きな建物だ。
ここまではタクシーから一歩も出ずに来たが、降りて歩こうか
と言う話が出る。
タクシーのドライバに聞いても「全く大丈夫」と言うし降りてみた。
市場には様々なものが売られている。
魚、野菜、果物、肉、なんでもござれ。
しかし、雑貨類はここの市場の管轄ではないのだろう全く扱って
いない。いわゆる生鮮食料品のマーケットという感じだ。
たくさんの男達女達が通るたびに声を掛けてくる。
何を言っているのか分からない。
恐らく「安いよ、ニイチャン。買ってってよ」てな事を口々に言って
いるのであろう。
マンゴがあった。いくらか聞いてみる。「イーニャータラ」
「ヒャクサン」「ヒャクサン?」そんなあほな。
103なんて答えるはずがない。しかし同行のY氏は「へえ103か」
としきりに感心している。
おいおい、そんな馬鹿なことはないだろう。
いくら聞いても「ヒャクサン」だし元々買う気もないので
「またね」と市場を出る。値段を聞いても分からなかったが、
きっととんでもなく安い値段なんだろう。
市場の活気を写真に収めたくてカメラを向けるが、写真を撮られる
のを明確に嫌がる人と全く気にしない人がいる。
それどころか写真を撮れと言う人さえいる。
露骨に顔をしかめる人は案外と多い。20回シャッターを切れば
1人か2人は気にいらない様子だ。
昔から「写真を撮ると魂を抜かれる」と言われて来たが、
そんな事をいまだに信じているらしい。あるいは、もう一つの
大きな理由として海外の報道機関が来て貧しい状況を
写真にして全世界にばらまく事があるが、その事によって
セネガルは貧しい国なのだというイメージが定着してしまう
のを嫌がるということも聞いた。
どちらがどうなのか写真を嫌がる人に聞いてみるしかないが
とうとう聞くチャンスもなかった。
外に出るとどこからもとのなく声がかかる。
「アミーゴ。アミーゴ」おいおい、おれはメキシカンか。
背の高いニイチャンが近づいてきた。手にはラコステと書かれた
ポロシャツがたくさん握られている。
10ドルと言うがどうせ偽物だろう。
「いらんいらん。明日また来るから」と断る。
しかし「明日はもう来ないね、今日買っておかないと駄目ね」
と執拗にくっついてくる。しつこさにいい加減腹が立つが
適当にあしらっていると面白い。「明日はもう来ない?」
何言ってるんだか、どうせ毎日来てるくせに!

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