バウバウの木
バウバウは木の葉から幹からありとあらゆる場所を利用できるらしい。
しかし姿はけったいだ。
いかにもアフリカを代表する木の様に見える。
日本ではお目にかかる事のない容姿である。
広大な土地にバウバウが間隔をあけて並んでいる。
密生はしない様だ。
アフリカの木はバウバウに限らず密生しているのを見かける事が少ない。
もちろん密生して生えている場合もなくはないが、
ほとんどがパラパラっと生えている。
しかし、バウバウが並んで立っている光景は
おかしな雰囲気を醸し出している。
昔手塚治虫のマンガでこんな光景を見た様な気がする。
よその惑星の上で木の形をした動物が密生して並んでいる。
なんとも違和感を覚えた記憶がよみがえった。
バウバウは命に溢れている。「母」という言葉が脳裏をかすめる。
しばらくこの語感を考えてみた。
確かに母が子供に乳を与える優しさや日差しを遮ってやる優しさ
がこの木にはある、しかしそれだけではない。
何か力強さを感じるのだ。
「父」そんな言葉で形容しても違和感はない。
形は極めて女性的。
でも、そこから受ける印象は優しさ、力強さ、パワー…様々である。
幹線道路のわきにある場所を探してN氏が見つけておいてくれた。
クールラマン村の近くである。
かなり大きなバオバブが数本並んでいる。
適当な距離をおきながら並んでいる光景は興味深い。
自分よりもずっと大きな存在が回りを取り囲んでいる。
日本の日常生活ではなかなか味わえない光景だ。
写真を撮る。人を入れずに撮る。
時間が短かったので写真を撮るだけ撮ってバスに戻ろうとしたら
地元の子供が通りかかった。
青いシャツと言うか民族衣装を着た10才程度の男の子だ。
写真を撮ってもいいか、と聞くとこちらをじっと見て動かない。
いいんだろうと思い写真を撮った。
写真を撮り終わって彼はあちらに行きざまに何か言った。
表情からは嬉しそうな表情ではなく文句っぽい言葉かと思った
が何を言ったのだろうか、
「写真撮ったんだったらお金頂戴よ」って所だろうか。
この辺の呼吸がどうも分からない。
バオバブは遠目に見ていても命があるれる存在だったが、
そばで見るともっとその存在感は強い。やはり命を感じる。
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