しあわせな時間

私は、目的を持たずに買い物に出かけることが好きだ。
そんな時は、触覚が敏感に反応し
必ずと言っていいほどの確率で“いい出会い”に遭遇する。
先日、本当に何ヶ月ぶりかにそんな時間を持てた。
一通りいつものショップを急ぎ足で覗いてまわってみると
その動線上に、またしても心躍る広告が見えた。

輸入盤saleの赤い文字。
これは行かない手はない!
自然反射的に、体がもうそちらを向いていた。
さっそくワゴンに近づき一枚を取り出してみる。
oh!なんとそれはマイフェバリットの未購入盤。まずは一枚Get。
この一枚が私をさらに元気付ける。
こういう時は連鎖的にいいものが何枚か見つかる可能性を秘めている。とにかく手当たり次第に目に付く名前を取り出していく。
さらには、名前は知らないがジャケット写真が素敵なものを取り出していく。
偶然のときめくような出会い。今までこの手の一目惚れにハズれはなかった。
JAZZは特にこの傾向が強い。中身とジャケットが一体になっての“作品”なのである。
しばし、ここでブレイク。
どんなに沢山収穫があっても、私はこの楽しみを温存するためよほどのことが無い限り、一回の購入枚数の上限を一応5と決めている。
どれを選ぼうか・・真剣に思案する 辛くとも幸せな時間が流れる。

ウーーーンと唸りながら
“また次回かならず・・ね”と再会を祈る気持ちを込めて何枚かをできるだけ目立たなそうなポジションに返す。
まるで子供が宝物を隠すように・・。

厳選した、この日のBest5を持ち、さっそうと家路につく。
さっき残してきた何枚かが残像として脳裏から離れない。
と同時に、音は聞けずともアルバムコンセプトやパーソネルを早く知りたいという恋にも似た衝動にかられる。
そうして所かまわず封をあけるのだ。電車の中、バスの中、プラットホーム等々。
こうやって大抵の場合、帰宅するまでに概要を把握するのである。
家に着くとまず音源をON。第一音がなるこの一瞬のときめき!!!まさに初恋気分。
私は何度こうして初恋を重ねたことだろう・・。