「浦のあけくれ」

吉丸一昌作詞・マッジンギ作曲
『中等音楽教科書(四)』・明43.4

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むらさきの 横雲は
空にたなびきたり
海は今さめて 夢路の闇を出でぬ
寄り来る波 返る波
さらり さらと響き
松の風 そよと吹く
のどかなる 今日の海や

網をつづる 翁(おきな)のかげ
あたたかなり岸辺
沖には白帆ぞ 雲に消えゆく
寄り来る波 返る波
さらり さらと響き
松の風 そよと吹く
のどかなる 今日の海や

海士(あま)の囀(さえず)り 黄昏(たそが)れつつ
燈火(ともしび)は見え初めぬ
ほのかに月さえ 磯馴(そなれ)の松(注)
寄り来る波 返る波
さらり さらと響き
松の風 そよと吹く
のどかなる 今日の海や

(注) 磯馴の松 海風のために枝や幹が曲がって低く垂れている、海辺の松。


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