「タバコ屋の娘」

園ひさし作詞・鈴木静一作曲

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(男)
向う横丁のタバコ屋の 可愛い看板娘
年は十八 番茶も出花 いとしじゃないか
いつもタバコを買いにゆきゃ やさしい笑顔
だから 毎朝毎晩 タバコを買いに行く

(女)
この頃毎朝毎晩 タバコを買ってくあの人は
なあんてタバコを のむんでしょ あきれた人ね
おまけにタバコを渡す時 変な目つき
それでもお店にゃ大事なお客 毎度ありがとう

(男)
向う横丁のタバコ屋の 可愛い看板娘
初めはつうんと すましていたが この頃うちとけ
おはよう今日は今晩は へへ おあいそよろしい
だから毎日タバコを じゃんじゃん買いに行く

(女)
今日で三日あれほどに タバコを買いに来た人が
ちっとも来ない 顔を見せない ちょっと心配よ
時候あたりか風邪ひきか 何だか気がかり
それはこれやと考えてたら おつりを間違えた

(男)
今日で五日目タバコ屋の 可愛いあの娘はどうしたろ
買いにゃ行きたし 金は無し 横丁も通れない
今日という日を待っていた 月給もらったぞ ヘーイ
あわてて駈けこむタバコ屋の ガラス戸割っちゃった

(女)アーラしばらく どうしたの
(男)へへ 実は風邪ひき 腹くだし
(女)それじゃ矢張り 病気だったの
(男)いえいえ財布が……それでも今日は月給日 これから毎日
(女)相も変わらず
(男)タバコを下さい
(女)毎度ありがとう
(男)へへへ どういたしまして


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