「四季の雨」
作詞作曲者不詳/文部省唱歌(六年)
戻 る
降るとも見えじ春の雨、
水に輪をかく波なくば、
けぶるとばかり思わせて。
降るとも見えじ春の雨。
俄(にわ)かに過(す)ぐる夏の雨、
物干し竿(ざお)に白露(しらつゆ)を、
名残(なご)りとしばし走らせて。
俄かに過ぐる夏の雨。
おりおりそそぐ秋の雨、
木の葉(このは)木の実(このみ)を野に山に、
色様々(さまざま)に染めなして。
おりおりそそぐ秋の雨。
聞くだに寒き冬の雨、
窓の小笹(おざさ)にさやさやと、
更行(ふけゆ)く夜半(よわ)をおとずれて。
聞くだに寒き冬の雨。
戻 る