ろくむしの遊び方



以下は、「大学生からの伝言──私はこうして遊んだ(伝承遊び編)」(大橋和華編)近代文藝社、1994年(69ページ〜70ページ)より引用しました。

「ろくむし」

人数は特に決まっていませんが、三人以上で人数が多いほど楽しい遊びです。小さなゴムのボールと、ある程度の広い場所とがあれば簡単に遊べます。

基本

  1. 野球のボールほどの大きさのゴムボールを用意します。そして、鬼になる人をじゃんけん等で二人決めます。
  2. ベースを二つ、地面に描きます。このベースの形は、円でも四角でも良いのですが、間の距離は、あまり近すぎるとつまらなくなります。
  3. 鬼になった人は、各ベースの処に立ち、ゴムボールでキャッチボールをします。この時、鬼は、ボールを取りそこなって拾いに行く以外は、ベースから離れられません。
  4. その他の人たちは、ベースからベースへと往復して走ります。ベースへと走って行った時ベースの鬼がボールを持って、ベースに走って来る人にタッチすれば、鬼の役の人はその人と交代できます。しかし、ベースを踏んでいた時は、タッチしても関係ありません。
  5. 走り方のルールとしては、次のようなものがあります。
    1. ベースを往復している人は、順序正しく並んで走らなくても良いのですが、ベースへは最短距離を走らなくてはいけません。
    2. ベースを往復している人は、一度ベースから離れたら、後戻りできません。しかし、鬼がボールを受けそこねて拾いに行っている場合でも、どんどん走り続けて良いのです。
  6. ベースを往復した時に、「いちむし」「にむし」と声を出して言い、「ろくむし」になったら、ゲームは終わりです。従って、ベースを往復している人が、「ろくむし」にならないうちに、鬼はタッチしなければなりません。

(面白さ)
この遊びでは、鬼であっても、走る人であっても楽しむことができます。鬼は、ボールを投げた振りをして、走る人を騙してタッチするなど、どうやって走る人にタッチしてやろうかと作戦を考えながら遊ぶことができます。走る人も、ボールの動きと鬼の目とをにらんで、鬼にタッチされないように、いかに「ろくむし」を達成するかというスリルを味わいながら遊べます。そして、「ろくむし」に近づくと、鬼は、「ろくむし」になるのを防ぐために必死になるので、「ろくむし」に近づいた人は、倍のスリルを味わうことができます。(名古屋市名東区代万町 岩本大輔)

ごんべ等が遊んだルール

  1. 野球のボールほどの大きさのゴムボールを用意します。そして、鬼のチームと子のチームの半々に分かれます。
  2. 円形のベースを二つ(いや、三つだったかも知れん)描きます。ベースとベースの間はあまり近すぎないようにします。また、人数に応じて、円の大きさは調節します。
  3. 鬼になったチームのメンバーのうち、キャッチボールをする役目の人は、各ベースの処に一人ずつ立ちます。キャッチボールに加わらない鬼のメンバーは、ベース以外の適宜の場所に位置します。
  4. 鬼はベース間でキャッチボールをします。キャッチボールを1往復するごとに「いちむし」「にむし」・・と声を出して言います。鬼のキャッチボールが6往復つまり「ろくむし」になるまでに、子がまったく動かない場合は、その時点で鬼チームの勝ちとなります。子のうtの誰かがベースから離れるか、又はベースを離れていた子のうちの誰かがベースに入れば、キャッチボール回数はクリアされ、最初から「いちむし」「にむし」・・と数え直します。
  5. 子の誰かが、6往復すれば、子のチームの勝ちです。それぞれの子は、1往復するごとに「いちむし」「にむし」「さんむし」・・声に出して宣言しなければなりません。鬼は子の各人の往復回数を、正確に把握しておかなければなりません。
  6. 子は、ベースからベースへと往復して走りますが、最短距離を走る必要はありません。キャッチボールが「ろくむし」になるまでに、次のベースへ行けばいいのです。
  7. 子がベースを離れているときに、鬼がボールを持ってタッチすれば、子はアウトになります。アウトになった子は、戦列から離れます。
  8. タッチだけでなく、鬼にボールをぶつけられてもアウトです。
  9. 鬼チームは、ベース間のキャッチボールを中断して、子を追いかけてもかまいません。この場合、ボールは投げてパスしてもいいし、持って走っても良いのです。
  10. ただし、キャッチボールをしていない間に、子の誰かが一人でもベース間を6往復すれば、子のチームの勝ちになりますから、鬼は「隠し球」を使います。鬼のメンバーは子に分からないように、服などの陰でボールの手渡しをし、さもボールを持っているかのようにして、ベースを離れた子を追います。ベースに残った鬼も、さもボールを持っているかのように装います。
  11. このへんは鬼と子の駆け引きです。鬼にとっては、ボールを持ってあまり遠くまで子を追いかけると、ボールをベースまで戻す間に子に「ろくむし」を完成されてしまいますし、また、子にとっては、ボールが遠くに行っていると思ってベースを飛び出すと、隠し球に引っかかります。
  12. 子の全員をアウトにするか、ベース間のキャッチボールが6往復(「ろくむし」)すれば、鬼チームの勝ちです。
  13. 子の誰かがベース間を6往復(「ろくむし」)すれば、子チームの勝ちです。