簡易長文投稿よりの単一HTML投稿です。
98年08月28日:22時30分16秒
○利用者の皆様へ これはTRPGLABO(以下総研)において行われた議論を無断で要約したものです。総研の過去ログを読 むにあたり、およその流れをあらかじめ把握していた方が望ましいという考えの下、アキトが勝手に編 集・作成しました。 内容は、とにかく読みやすくすることを目指し、主題と主張と最低限の理由のみを残し、当事者間でしか 意味がないと思われるものは省略しました。また口調は「である」「だ」など断定的なものに変更しま した。さらに表現も全体としてわかりやすくなるよう手を加え、論の流れを整理するために、若干順番 を入れ替えました。もはや……編集・作成というより、改ざん・捏造です(爆) 範囲は、総研のログ1〜6です(詳しくは目次及び各章の冒頭をご覧ください)。 ○関係者各位へ 河嶋陶一郎さん、速水螺旋人さん、鍼原神無さん、陽陰さん、有馬次郎さん、3327さん、佐々木康成さん、 SHiNさん、NoBuさん、TTBさん、ENT閣下、MARSさん、宇津見さん、雪だるまさん、sfさま、 metralさん、asukaさん、寺田大典さん、うぃんろーどさん、鏡さん、狂兵さん、Dr李さん、YAN/矢野 聡一郎さん、ENIさん(順不同)、勝手にご意見を要約したり、名前を省略したりして、本当に失礼いたしまし た。どうかご理解とお目こぼしをよろしくお願いいたします(笑)。 ○目次 (1)『暴論』・粋なゲーマーになるために [ログ1] (2)『暴論』・ゲームデザイン [ログ1] (3)『第1期極論実験』(議題:ロールプレイに特化していくべきか) [ログ2〜3] (4)『第2期極論実験』(議題:日本のTRPG業界は1度滅びるべきか)[ログ3〜5] (5)「母と子のRPG」 [ログ5〜6] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (1)『暴論』・粋なゲーマーになるために [ログ1] >河嶋:前提として「ロールプレイ」と「世界観」と「ゲーム性」を上手く生かすことが『粋』であ るとしよう。ではどうすればこれらを上手く生かせるのか? >速水:(ゲーム性支持)現状のロールプレイへの偏重は問題があり、全体のバランスを取るために もゲーム性への回帰が必要と考えられる。 >鍼原:(ロールプレイ支持) >陽陰:(世界観支持) >速水:ロールプレイには評価基準がない。 >河嶋:ロールプレイは世界観とゲーム性の上に乗っているものと考えられる。だとすればロールプ レイを評価するのは、この2つとの関係においてではないか。 >鍼原:ロールプレイこそがTRPG特有の魅力である。ゲーム性だけではTRPGは他のものに勝 てない。ロールプレイを伸ばすことは正しい。 >陽陰:たしかにゲーム性ではTRPGはコンピューターゲームに劣る。 >河嶋:たしかにロールプレイこそがTRPGを特徴づけているものといえるだろう。しかし、特有 であるがゆえにロールプレイの魅力は他のジャンルのファンには通じない。それならば普及のためには、 世界とゲーム性を優先させる方が良いのではないか。 >速水:ゲーム性による裏付けのないロールプレイは拒否されるべきもののはずだが、現状にはこれ があふれている。ゲーム性こそ自己と他者を結ぶ共有できる言語である。 >有馬:ロールプレイ重視派はゲーム性と世界観の裏付けのないロールプレイについてはどう考えて いるのか。 >鍼原:そういった、リアリティを持たせようとしないロールプレイはやはりよくないと考える。 >3327:再現性・伝達性を持たせるためには、ロールプレイはルールによって規制されリアリティを 獲得しなければならない。この際、世界観も文字で形成されたルールとして機能している。 >鍼原:ルールはロールプレイの前提ではなく、手段である。またロールプレイの目的はPCの個性 を他の参加者に見せるだけだが、ゲーム性は突き進めると明確な達成目標を必要とする。そうなった場 合プレイの方向性は束縛され、マンネリ化し、シナリオの方向性が予測しやすくなるために緊張感が失 せてしまう。 >速水:ゲーム性とルールを完全に同一であるとしてはならない。ルールにはバランスの悪い(=ゲ ーム性に乏しい)ものや、ロールプレイを支援するためのものなどが含まれる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >私見:ここでは、最近の「ロールプレイ重視」の風潮の影響か、ロールプレイに関する発言が中心 的となっている。とりあえず、ロールプレイはルール(世界観含む)によって、規定されなければなら ないという(この場での)共通認識が確認されている。ちなみに『暴論』とは発言時に照れ隠し的に多 用された通称であり、その内容を指していたわけではない。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (2)『暴論』・ゲームデザイン [ログ1] >佐々木:ゲームデザインにあたって、デザイナーは当然、「ゲーム性」「世界観」「ロールプレイ」 のあるべきバランスを想定し、そのバランス(プレイスタイル)でもっとも楽しめるように作っている (ハズ)。だから個々のゲームのデザイナーが想定したバランスで遊ぶのが正しいのである。そのため にデザイナーはもっと機会見つけてはコンセプトを提示しなければならない。 >SHiN:多少は想定したものから外れても、楽しく遊べるような懐の深さも必要。 >陽陰:デザイナーの主張はあくまでも作品の中で行われるべきである。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >私見:特になし。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (3)『第1期極論実験』(議題:ロールプレイに特化していくべきか) [ログ2〜3] >鍼原:(NO)いかなる方向であれ、特化するのには反対。多様性が大事。 (RPGのキキ)現状はかつてのバブルがはじけた反動にすぎない。RPGの流通不全は、日本の流通全体 硬直化していることを反映しているにすぎない。RPGはキキ的状況にあるというのは心配のし過ぎで ある。 >陽陰:(NO)ロールプレイで盛り上がるシナリオはGMにとって負担が大きい。ロールプレイは (RPG特有なので)外から見てもよく分からない。そのため特化は新規ユーザー開拓を阻む。 (RPGのキキ)現在の新作は世界やゲーム性をおろそかにしロールプレイばかりをフォローするという単 一の傾向を持つ。これは十分にキキ的。新作はかつての作品が築いたものに便乗している。 >有馬:(NO)明確な評価基準を持たないキャラクタープレイを前面に押し出すのは、カルト化を 招く。ただし、役割分担としての”ロールプレイ”は必要不可欠。 >SHiN:(YES)ロールプレイこそRPGの魅力である。また、かつてのプレイスタイルはもう流 行らない。ロールプレイを控えさえすれば新規参入者が増えるというのは短絡的である。 (ロールプレイ支援ルール)ゲーム性を持ち、ロールプレイの負担を減らすルールとこそ求めていくべきで ある。 >NoBu:(NO)ロールプレイはゲーム性と世界観を前提といており、単独ではつまらないものにな ってしまう。ただし、ロールプレイは重要である。 (ロールプレイの分類)ロールプレイは、役割分担である”ロールプレイ”とキャラクタープレイにきちん と区別して考えるべきである。 >有馬:(NO)SGからの派生であるRPGでゲーム性を排除するのは間違いである。 >TTB:(YES)魅力は伸ばすべきである。ただしキャラクタープレイは容易に自分の世界を形成 してしまうので、相互伝達が断絶してしまうことがあるの注意が必要。 >鍼原:(NO)どのような方向への特化であれPLの好みに合ったものなら問題はない。また特に、 新規参入者を望むなら、ケースバイケースで初心者にあわせられたほうがよい。そのためには逆にいか なる方向にも特化するべきではない。 >陽陰:(NO)ロールプレイに特化してしまうと新規ユーザーを排除してしまう可能性がある。な ぜならその「世界」に慣れていないためにノリについていけず、また行為の正否を決める基準があいま いなので楽しめないからである。 >速水:(YES)魅力であるロールプレイを伸ばすのは賛成だが、それはあくまで基本としてのゲ ーム性を理解した後での話である。 >ENI:(YES)RPGを他人に説明する最短経路はやはりロールプレイについて話すことなので、 他人に理解してもらうことを考えるならば特化は正しい選択である。また、ロールプレイを「個性の発 揮と、全体を調和させるための役割分担を両立させること」と考えれば、特化は総合的な進歩となりう る。 >総括:(YES)初心者にもやさしいロールプレイへのアプローチ方法論があれば、特化しても良 いのではないか。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >私見:『極論実験』とは、河嶋氏が提言し、仕切り人を勤めた一連のの議論のことで、緩 やかなルールと、区切られた時間の中で繰り広げられたもの。『暴論』と同様、あえて曖昧な部分を廃 す事によって問題をより明確化することをひとつの目的としており、非常に刺激的内容になっている。 全体としては「現状には満足していない」という共通意識が見られるが、ロールプレイに対する考察を抜 きにして始めてしまったため、各人の「ロールプレイ」に差が生じてしまっている。それゆえ、同じ (YES/NO)であっても意見が一致せず、まとまりに欠けるのが非常に残念。ただこれは『極論実 験』が区切られた期間で行われたということを考えると、致し方ないことかもしれない。 >補足:以下は(3)と平行して行われた「ロールプレイ」の考察に関する発言である。 >MARS:(キャラクタープレイRPG)ロールプレイは「役割分担」と「キャラクタープレイ」に分 けられるのだから、RPGも2種類に分けて考えればいいのではないか。 >宇津見:ロールプレイは、ゲーム的に扱えるものと扱えないものに分けるべきであり、そのように 分けるのは都合が悪い。 >補足2:以下は(4)の総括の後に述べられた、システム面から見たロールプレイの考察である。 >河嶋:ロールプレイとシステムの関係には2通りがある。1つはロールプレイの優劣を数値に反映 するもの(「抽象化」と呼ぶことにする)、そしてもう1つがシステムの結果をロールプレイに翻訳す るもの(「具象化」)である。 両者を比較すると、「抽象化」はロールプレイを強く要請するのに対し、「具象化」は必ずしもロールプ レイを要請しない。また、前者はPLだけがロールプレイをしなければならないのに対して、後者は他 のPLやGMが助け船を出すことができる。以上のことから考えると、初心者には後者の方が向いてい ると考えられる。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (4)『第2期極論実験』(議題:日本のTRPG業界は1度滅びるべきか)[ログ3〜5] >速水:(YES)ユーザーにとって今の業界は不可欠の存在ではない。また、最近の専門誌では新 しいユーザーの開拓は見込めない。 >鍼原:(業界未生説)業界と呼べるようなものはまだ存在しない。今あるのは玩具業界のホビー部 門のさらに一部であり、外部に依存している。一応の完結をしたシステムでなければ業界とは言えない。 >3327:(YES)日本的風土においては改革よりも一度潰してしまったほうがよい。また改革でき るような人材がいるとも思えない。 >SHiN:(新体制)通販とWebの併用に移行することで販売とサポート体制は改善できるのではない か。そして、専門誌には社会的認知の向上の役割を担ってもらえばよい。 >NoBu:(NO)業界をスケープゴートにするのは無責任ではないか?我々ユーザーにも責任はあっ たはずである。 (反バブル説)雑誌の休刊が相次いだのは、バブルがはじけたのではなく、牽引役の不在と、ミーハー路線 への一斉転向が原因である。 (反新体制)Webはまだすべてのユーザーに普及したわけではないので、メディアとしては紙媒体に劣る。 Webに接続できる人しか遊べないというのはおかしい。 >MARS:(YES)新しい物を生み出せなくなった業界に、存在意義は無い。 >陽陰:(NO)一度潰れてしまった業界に資本の再投下を望むことは困難。業界としての信用が無 ければ翻訳なども契約ができない。 >鍼原:(NO)業界は未だ生まれていない。ならば今あるものを補完して生めばよい。そのための 方法論として、例えば小さくまとまりのあるオリジナル作品をネット上で販売したり、中核部分をフリ ーソフト、拡張部分をオフライン販売するといったものが考えられる。 >速水:(YES)今ある業界は一度解体する。そして志のあるものは他の分野で活動し、そのノウ ハウと資金を再結集して業界を再生するのだ。 >寺田:(NO)業界がなくなってしまうと、和訳ができず・オリジナルが作れずRPG・容易に人 が集められない人はプレイが困難になる。利用者を選別するような不可視障壁をRPGに作るべきでは ない。 >雪だるま:新しいユーザー層でも開拓しない限り、流れは変わらない。 >総括:(YES)主流として「業界」は出版ベースで再起を図り、傍流としてアマチュアはネット ・同人でバックアップする。 (NO)存続・再生を問わず、他のメディアへの過度の依存、人材・資金・時間の不足、体力不足、一部ユ ーザーからの信頼損失などの問題を克服することが課題である。 (共通認識)過去に比べて情報ははるかに入手しやすくなっており、「業界」の(かつての姿としての)必 要性は減少している。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >私見:『極論実験』は、この第2期をもって一時中断されることとなった。しかしこれはあくまで も一時的なものであると信じたい。しかし、今はただ河嶋氏の御尽力に賞賛を差し上げたいと思 う。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (5)「母と子のRPG」 [ログ5〜6] >ENT:今後のターゲットとして「ファミリー」という路線はどうだろうか?RPGを家庭でできる 情操教育として売り込めばいけると思う。 >sf:主婦が持つホームパーティー文化にパーティーゲームとして食い込めば、活路は在るかもしれ ない。 >鍼原:それなら対象を幼児の母親にしぼって、母と子が一緒に遊べるゲームとしたほうが良いので はないか。 >河嶋:子どもにルールを理解させるのは困難である。だからまずは母親から取り込んでいく事にな るとおもわれる。 >鍼原:2組の母子で遊ぶゲームブック絵本というのはどうだろうか。 >TTB:主婦にRPGを認識してもらうには、RPGジャンルの趣味的確立が不可欠。現段階ではと ても無理である。 >metral:ゲームブック絵本を作るとしたら導入〜中盤は固定で、終盤は分岐する物にするのが望ま しい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >私見:電子絵本のように、ゲームブック絵本はある程度需要が望めると思う。ただ2人用ゲームブ ックでも、対戦という形式は「教育的」ではないと思われるので、A・B2冊のセットで、母親がそれ ぞれ「導き手(しゃべる猫など)」と「ナレーター」を分担して話を進め、それに対して子どもが協力 して選択するといった、形にした方がよいのではなどと思う。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○あとがき……のようなもの(正確には、編集後記みたいなもの、ですね) 数百Kバイトの内容を、15Kぐらいにしてみました。我ながら無茶をしたもんだと思います。切り捨てて しまった「具体的な類例」や「重要な意見」は無数にあります。なかには、非常にすばらしい意見である にもかかわらず、それが「流れ」を形成しなかったというだけで、捨ててしまったものもあります。そう いった意味では、この要約がかえって「邪魔」「おせっかい」「迷惑」といったことになってしまうこと も十分に考えられます。しかし、できるだけの努力はしたつもりです。 さて、話は変わって(6)以降についてですが、これはまったくもって不明です(笑)。総研には能力・ 経験ともに、私などとは比べるべくも無い人がたくさんいますし(ぶっちゃけた話、そもそもこういう要 約にどれだけニーズがあるかも分かりませんし)、しばらくは反応などを静観するつもりです(爆)。 みなさま、ここまで読んでいただき、まことにありがとうございました。 おはりのくに。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ○ご意見・ご感想の宛先 >akt@mail.goo.ne.jp