Location : Home > Bookshelf> Classified
Title : Bookguide
Site:Felix Logo

ブックガイド

 本読みがブックガイドを頼るのは敗北なのかも知れない。…が、やはり自分の知らない分野とか、既に確立した分野に乗り込んでいくのに自分の非才を省みず徒手空拳でつっこむのもどうだかな、と思う。どの分野にもその分野で古典と呼ばれる、読むべき本というのはあると思うのだ。それを探し当てるのも楽な作業ではない。そんなときにブックガイドは役に立つ。

読まずに死ねるか

 まず最初に挙げたいのは宮崎哲弥の『1冊で1000冊読めるスーパーガイドブック』(新潮社)。この本で取り上げられている本の中には私の興味をそそらない本だってかなりあるけど、まあ、その読書量には脱帽するしかないかな。特に後半の「ミヤザキ学習帳」で各テーマごとに取り上げた書籍のマッピングがされている図が載せられているけど、実はこれ、いつかここでやろうとしてたことなんだな。だからヤラレタ!という感じ。ああいうマップはそれそのものよりも、自分でそういうマップを作る作業(マッピング)のほうが重要なのねん。だからここでやり始めた。
 たぶんこの本は連載ものの企画としてひたすら書かれたものという感じがして、全体としての著者独自の視点が見えないのが残念。
『新書365冊』(朝日新書)もよく似た感じかな。まあ、同じ著者が同じテーマで書いた本なのだから仕方ないけど。日本人が本を読まなくなって単行本とか売れなくなった中で新書サイズのが手軽だってんで不況と言われる出版業界の中でも元気なほうだと言う。んなわけで、あちこちの出版社が新書を出している。この本のあとがきで著者も書いているけど、そんな中で、めっちゃカスみたいな新書も粗製濫造されてるってのも事実だなぁ。。敢えて言わないけど。

 そーだなぁ。ちょっとお堅い感じのでいくと、『教養のためのブックガイド 』(小林康夫/山本康 編;東京大学出版会)なんてのはどうだ。教養っすよ、教養。下手したらもう死語かな、教養。ウチの嫁も会社の後輩も、「これは日本人として知ってるだろー」ってことを知らなかったりすることが多々あるのでそうなりつつあるんだろうなぁ。このガイド、いわゆる古典をいろいろ取り上げてて、なかなかいいブックガイドではあるとは思うけど、本としては(読み物としての)面白みにかけるなぁ。取り上げられている本を読みたい気にさせる、そそられるようでないとブックガイドの役目を果たせやせんぜ、旦那。ところでこの本、東大生は読んでるのか?

 それぞれの分野の名著を知りたいというのであれば、『「本の定番」ブックガイド―アナタが読むべき名著が一目でわかる』(鷲田小彌太;東洋経済新報社)だ。個人的にこの著者の本は好きで結構読んでいるんだけれど、文体も入り込みやすいし、分野ごと・著者ごと・年譜風のリストがあったりして、入門にはとってもよいと思うぞ。

 後はそうだな。アヤシイ系が好きな人には、『パラダイム・ブック―新しい世界観 新時代のコンセプトを求めて』(C+Fコミュニケーションズ;東洋経済新報社)なんかどうだろう。しかしなんで日本実業出版社がこんなの出してるんだ? まあ、それはそれとして。ニューサイエンスが好きで好きでたまらない人にはたまらない本かも。

 『あらすじで読む〜』というシリーズで何冊かあるのは知ってるけど、個人的には嫌いだなぁ。ブックガイドの書き手には、めっちゃ少ない言葉でその本の本質を抉り出し、読み手にその本を手に取らせるほどにそそらせる力量を望みたい。そう、あくまで「ガイド」であって、ブックガイドを読んでもとの本を読んだ気にさせちゃいけないと思うんだな。長い目で見たときにいい読者をつぶしてると思う。だからその手の本は読んでないし、ここでも取り上げない。

Bookguide
  1. 1冊で1000冊読めるスーパーガイドブック
  2. 新書365冊
  3. 教養のためのブックガイド
  4. 「本の定番」ブックガイド―アナタが読むべき名著が一目でわかる
  5. パラダイム・ブック―新しい世界観 新時代のコンセプトを求めて

たぶんここに分類されるであろう本たち

えー、ほんとは書きたいけどまだ読んでない本たち

  1. 松岡正剛:『松岡正剛 千夜千冊』(求龍堂)
     おお。これは事件だ。こんな本が出されるなんて。博覧強記という言葉を人間にしたら松岡正剛になるのかも知れぬ、と思われるほど圧倒的。でも、値段にも圧倒されてるので購入には至らず。

ま、その他のリストも書いとく。

  1. 鷲田清一・野家啓一 編:『20世紀を震撼させた100冊』(出窓社)
Site:Felix Logo
Updated : 2007/02/09