ANSWER 52



Eが♣AQのダブルトンでスタートし、ラフを切望していることは、関係者全員にとって明らかでした。
EのQもまた、謎めいたものではありませんでした。
WがT9を持っていたので、Eはほぼ間違いなく、 サポートされていないアナーをリードすることでパートナーにエントリーを作ろうとしているのです。

これは典型的なデシャペル・クーです。
 目的:パートナーへのエントリーを意図的に作り出す。
 方法:通常であればウィナーとなるはずのカードを、
    意図的に犠牲にしてリードします。
 効果: この犠牲によってパートナーのカードをエントリーに
    変えることができます。

・ディクレアラーが♠Aで勝ち、
・続く♠JをWのラーセンが♠Kで勝ちました。

この時、Eのクヌーセンの切り札のシグナル♠5→♠3に注目しました。
これは切り札を3枚持っていて、ラフしたいという意思を表したものです。
ラーセンはを返したいという強い誘惑に駆られたに違いありません。 しかし、誘惑に抗い、

Qにスイッチし、
 ダミーが勝つように仕向けました。

ディクレアラーには、ディフェンスを許さずに抜け出す方法はありませんでした。

・クヌーセンはKをキャッシュした後、
をリード、
 WがTとKを勝ち、
・ラーセンはついにパートナーに♣をラフさせました。
3ダウンです。

Wがもっと早く♣を返してEにラフさせていたら、ディクレアラーはダミーの4枚目の♣でを捨てることができたでしょう。

このハンドをプレーしたノルウェー代表チームは、オスロ・ペアトーナメントで優勝しました。