Part3 聖タイタス修道院に戻って
 Part3-15 ハーマン修道士の到着(3)
North-South game
Dealer North


ハーマン修道士はくすくす笑って、
「修道院長、ビッドに混乱があったようですね」
「私の2♠のビッド分かりましたか?」

「何か注意すべき所がありますか?」
「普通だと思いましたが」と修道院長。

「バークリレーは使わないのですか?」
「キャンベラではスタンダードなんです。」
とハーマン修道士。
オープナーが自分のスートをリビッドした時、 次のビッドが『Newスートであればフォーシングです』
そして、それはより多くの情報を求めています。

修道院長はゆっくりと息を吐きました。
「私の理解は間違っていたのかな?」
 単純にAcolシステムで、
 でプレーしたいのだと思った!」

「バークリレーも単純ですよ」とハーマン修道士。 「それでも心配ないです。今回は問題ありません」

・パウロ修道士はシングルトンの
 5をリードし、
 SのKで勝ちました。
のK&Qのブロックにより、12トリック勝つのは難しい状況です。

・ハーマン修道士はダミーの♣KとQで
 2ラウンド切り札を狩りました。
・それから、♠Aでハンドに戻り、
・残っている切り札を狩り切りました。

これで、Kへのシンプルなラインが見えてきます。
Kのスチールが成功すれば(WからAが出る)、 ディクレアラーは、KをAでオーバーテイクし、
Kスペードで8を捨てることができます。
しかし、ハーマン修道士には別の考えがありました。

・次に♠を2ラウンドキャッシュすると、
 Eがショーアウトしました。
 これは、Eが黒いカードを3枚、
 Wが8枚であることを意味します。

Eは少なくとも4枚のを持っているのは確実で、 おそらくAも持っていそう。
より複雑なラインがある時には、単純なラインには決して従わないハーマン修道士は、

・♠の3枚目のウィナーをキャッシュし、
・残っている2枚の切り札も取りましました。
 まだハンドに切り札が1枚残っています。


・ハーマン修道士は最後の切り札を出し、
 ダミーから8を捨てました。

Eに座っていたルシウス修道士には、損せずに捨てることができるカードがありませんでした。

 Qを捨てることを選びましたが、
・ディクレアラーはQをキャッシュし、
・続いて9を出しました。
 Eのルシウス修道士はAで勝ち、
・最後のトリックをダミーのAに譲らなければなりませんでした。

ルシウス修道士は面白そうに首を振りました。
「よくカードを読んでいますね」
Kをスチールするという単純なラインを取らなかったのは驚きです」

「いや、僕がやったようにプレイするのが普通だよ」とオーストラリア人は断言しました。

「オープニングリードがなら1ダウンでした」とパウロ修道士は謝りました。
「ビッドされていないスートだったのは分かっていましたが、J頭の4枚はあまり魅力的ではなかったので」

二人がテーブルを離れると、ハーマン修道士は修道院長に身を乗り出して、
「故郷ではのリードは自動的に決まるんだけどね」