Part3 聖タイタス修道院に戻って
 Part3-15 ハーマン修道士の到着(2)
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Dealer North


次の新しいペアは、少し下手な修練所のメンバーでした。

長旅でまだ少し疲れた様子のハーマン修道士は、
Qをリードしました。
 Aをお願いします,と若いアダム修道士。

初心者には2枚目のが勝てる可能性は低いように思えました。
それで、
・2トリック目に切り札をプレーし、
 続く4ラウンドで切り札を狩り切りました。
・次にJを出しました。

修道院長は、エンドプレイされ苛立っていました。
どちらかのに1トリックを譲らざるを得なくなりました。

4♠はジャストメイクです。

「素晴らしいプレイだ、相棒!」
「よくやった。」とマーク修道士。
修道院長はこの評価に愕然としました。
「よくやったって?」
「もっと良いラインがあったよ」

修道院長はハーマン修道士の方を見ました。
「このハンドをどうプレイすべきか、
 分かったんだろう」
ハーマン修道士は気さくに頷き、
「分かりました」
「でも、若手にしては良いプレーでしたよ」

修道院長はSのアダム修道士の方を向いて、
「もし私のが2枚で、
 ハーマン修道士がQを持っていたとしたら」
「WはあなたのJにカバーするので、
 1ダウンでしょう」
このプレーが理解できるよう少し間を置きました。

「2トリック目でKをキャッシュすべきです。
 私がフォローすれば、
 あなたは1枚ディスカードできます。
 私がラフすれば、エンドプレイは今回と同じです。
 専門家の間では、これをエクストラチャンスプレイと呼んでいます」
「なるほど」と初心者は自信なさげに言いました。

ハーマン修道士は困惑した様子で、
「何か別のことを考えているのかと思いましたよ、修道院長」

「ディクレアラーは2トリック目で2をラフし、4回目の切り札でエンドプレイするべきだという意味かと思いましたよ」
「切り札で1つ負けますが、
 ダミーのどちらかのKとKが取れます」

修道院長は苛立ったように手をパタパタと振り、
「もちろん、君や私ならそうしていただろう」 「若い連中にそのプレーはちょっと無理があるよ」