Part3 聖タイタス修道院に戻って
 Part3-14 アンソニー修道士の大いなる犠牲(3)
 Game all
 Dealer South


コントラクト:6♠
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沈黙を守る修道士が1~2枚の役に立つカードを持っていることを期待して、 パウロ修道士はでスモールスラムをビッドしました。
その後は全員パスとなり、

・修道院長はKをリードしました。
アンソニー修道士は首を横に振り、修道院長にカードを戻すように手で合図しました。
「これはブラックスーツの約束になります」
「リードは反対側です、修道院長」
とパウロ修道士は言いました。

修道院長は苛立ちを隠せませんでした。
この順番を守らないリードは、本当に馬鹿げている。
他のコミュニティの沈黙を守る修道士たちは、ビディングボックスを使うことに全く抵抗がない。
アンソニー修道士は、なぜこれ程までに誓いを守ろうとすのだろうか?

「ディレクター!」とパウロ修道士は呼びました。
事実関係はザック修道士に説明され、彼はルールブックをめくり始めました。

「正確な状況が記載されているか分かりませんが」
「しかし、順番を外れたリード…というか、
 順番を外れるべきだったが順番を外れていない
 リードは、Sが受け入れることができ、
 Nがディクレアラーになります。

「ディクレアラーは、オープニングリードすべきだったプレイヤー(勿論この場合は順番を外れて)にリードを要求することができ、
 順番を外れてリードされたカード…というか、
 この場合は順番を外れていなかったカードは
 ペナルティカードになります。分かりましたか?」
アンソニー修道士はWにオープニングリードをするように合図し、
それから修道院長の方を向いて、ペナルティなしでカードを戻すように示しました。

・ザビエル修道士はTと自然なリード。
 その後、J,Q,Aとカバーされました。
・続く2ラウンドの切り札狩りで、
 トランプの5-1別れが分かりました。

をラフしてメイクする可能性はありません。
全てはのフィネスにかかっているように見えました。
しかし、アンソニー修道士は急いでフィネスするつもりはありませんでした。

をA、Qをキャッシュしました。
この時点で残ったカードは下図の通りです。


・アンソニー修道士はKを取り、
 Wはを捨てました。
・続いて、ダミーのAをキャッシュ、
 全員フォローしました。

沈黙の修道士は、Wのハンドを再度考えるために少し間を置きました。
Eは、1枚と4枚でスタートしています。
は、Tをリードしその後8を捨てたので、T98の可能性が高く、1-4-3-5のハンドでしょう。

・アンソニー修道士はダミーの3に手を伸ばしました。

Eに座っている修道院長がKでトリックを取れば、Wの9が落ち、ダミーの6がウイナーになります。

・実際、修道院長はローをプレイし、
 Wの9がトリックを獲得しました。
・WはSの♣のテナスにリードすることになり、
 12トリック目が生まれました。

「ブラボー!」パウロ修道士は拍手喝采です。
「もちろん、私が素晴らしい6を持っていなければ、スラムをビッドしなかったでしょう」