ルーク修道士が穀物倉庫のそばでムボジに会ったとき、太陽は容赦なく照りつけていました。
「ああ、ムボジ、おはよう」
「今夜は呪術医とペアを組むのかな?」
「呪術医は、またレイラ女史と組むそうだ」と不機嫌な返事が返ってきました。
「今夜のゲームに関しては、君はラッキーだよ」
「今、僕にはパートナーがいないから、僕と一緒にプレイできるよ」
その夜、ルーク修道士とムボジは、呪術医のテーブルに着いていました。
これがそのラウンドの最初のボードです。
Love all
Dealer North
コントラクト:4♠
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・ルーク修道士は、4♠のコントラクトに対して
♦Aをリードし、
そしてダミーが開かれました。
「レイラ、これは立派な12ポイントだ」
「ウィークノートランプでオープンしないの?」
とルーク修道士。
レイラははにかんだ笑顔を浮かべました。
「呪術医は1NTのオープンを許可してくれないの」
「私が最終的にそのハンドをプレイすることになるかもしれないから、と言ったの」
「♣でオープンしようかと思ったけど…」
・「スモール!」呪術医は怒鳴り、
レイラの優雅な指がスモール♦に伸びました。
ムボチは♦9出しました。
・ルーク修道士は続いて♦Kを出して勝ち、
・♦Jと続けました。
ダミーからローカードが出されましたが、
ムボチはそれでも♠5でラフし、
デクレアラーの♠Jを出させました。
呪術医は考えるために立ち止まりました。
もしWが切り札のATxでスタートしていたら、コントラクトはもうダウン確定です。
しかし、もしWが♠ATのダブルトンだったらどうなるだろうか?
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そうすれば、Wは切り札の最初のラウンドをAで勝ち、4枚目の♦をプレイできる。
その時Eが♠7でラフすれば、Wの♠Tがウィーナーに昇格してしまう。
呪術医は切り札狩りを延期することにしました。
・4トリック目で、
デクレアラーは♣Kに向けてリードして勝ち、
・更に2ラウンド続けて♣を出しました。
そして、ダミーの最後の♦を捨てました。
・それから初めて、切り札の♠Kをリードし、
Wの♠Aが勝ちました。
・Wがもう1枚の♦を出すのは、
ダミーでラフされるので利益になりません。
そこで代わりに♥を試みましたが、
呪術医は♥Kで勝ち、
・デクレアラーは残りのトランプを狩り切り、
4♠ジャストメイクを宣言しました。
「素晴らしいプレーだ!」と呪術医は叫びました。
「レイラ、分かるか?」
「♣をプレーしないと、
2回目のアッパーカットに遭遇していたんだぞ!」
「何トリック取ったの?」とレイラ。
「最高の10トリック、420点だ」と呪術医は得意げに答えました。
レイラの素晴らしい笑顔は、スコアシートを確認した途端に、しかめっ面へと変わりました。
「何かの間違いよ」
「他のペアはほとんどが 450点だわ」
ムボジはスコアシートを調べるために身を乗り出し、言いました。
「通常はNがプレイするんだ」
「Nはおそらく1NTでオープンし、
ヤコビートランスでNの4♠になるんだ」
「そうだ、そうしたらEは♣Jをリードするだろう」
ルーク修道士は小さく笑い、
「そして、♦のルーザを♥で捨てるんだ」
ルーク修道士は呪術医の方を向いて、
「この結果は、君の問題だと言わざるを得ない」
「レイラに普通にビッドさせていたら、君たちも
450点取っていただろうに」
「何の違いもないよ」と呪術医は否定的です。
「私はトランスファなんてしないよ」
ルーク修道士は、レイラのきちんと書き込まれた大会カードをじっと見つめ、
「ここに書いてあるよ」
「私の頭が完全におかしいと思ってるのか?」と呪術医は叫びました。
「もちろん彼女はトランスファを知っている。
私がプレイしないと言っているだけだ!」
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