Part2 アフリカでの幕間
 Part2-11 サム・ペッケンロスの罠(2)
次のボードでパロットに再び20HCPのカードが配られました。

 Game all
 Dealer West


コントラクト:3NT
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・3NTに対して、ペッケンロスは♠Qをリード、
 デクレアラーの♠Aが勝ちました。
・続いてパロットは♣Jを出し、
 ♣Kでオーバーテイク、

・ダミーからのローをリードしました。
 トビアス修道士はAを出さず
 SのKがそのトリックを勝ちました。

・パロットは同じ動きを繰り返し、
 ♣Tを♣Qでオーバーテイクし、
・再びのローをリードしました。

♣のスートの巧みな操作により、ダミーへのエントリーが確保されていたため、 トビアス修道士は
再びをホールドしなければなりませんでした。
 デクレアラーのQが勝ち、
 Wは♠を捨てました。

パロットはハンドをカウントし、
Eは2枚目のでショーアウトしました。
Wは6-1-2-4のハンドで、Aで「ウィークツー」のポイントを補ったことに間違いないでしょう。

・パロットは更に残りの♣を2回キャッシュし
・♠Kを取り
・♠Tを出しました(スローインプレイ)

・ペッケンロスは♠のウィナーを3枚キャッシュしましたが、
その後デクレアラーのKに1トリック与えざるを得ませんでした。

その結果、3NTのゲームはメイクしました。

ペッケンロスは最後の4トリックをじっと見つめ、 それからトビアス修道士に怒ったように
「ハンドに何もなかったのか?」

Aを持っていたよ」とトビアス修道士。
A!!」ペッケンロスは叫びました。
「バカ野郎、あと1トリックでダウンだったのに!」

「もしAを出したら、パロットはトップカードを9トリック持つことになる」
Aを1枚にして、最後に出すようにすべきだった。それがWのベストプレーだよ」
とトビアス修道士が指摘しました。

「それで、を出してを取るように仕向けたんだな!」
「そういうつもりだったのか?」とペッケンロスは疑わしげにパロットの方を向きました。

パロットはばかばかしいほど目を回し、
「ゲームをやれ、ゲームをやれ」と金切り声を上げました。

鳥がもっと上手に話せないのが残念だ、
それでも、ブリッジができるというのはとんでもないセールスポイントなので、 アメリカの裕福な未亡人なら高く買ってくれるだろう、
とペッケンロスは思いました。

ラバーブリッジが次々と続き、罠猟師はすでにかなり負けていましたが、
最後のボードが見ものになりました。