Part2 アフリカでの幕間
 Part2-10 トビアス修道士の素晴らしさ(3)
パロットとのセッションをとても楽しんだルーク修道士は、最後のボードをテーブルに置きました。

 Game all
 DealerWest


コントラクト:5
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・オープニングリードは、♠Aでした。

デクレアラーのパロットはダミーのハンドが気に入りませんでした。
オポーネントの4になれば彼らは不愉快な思いをしただろうし、我々の5はまったく乗り気がしません。


・♠Aをハンドでラフし、
Aでダミーに入り、
・♠Jをリード、Eのトビアス修道士はカバー、
 パロットはラフしました。
・次にハンドからを出し、ダミーでラフ、
・続いてパロットは♠Tをリードし、
 Eはカバー、ハンドでラフしました。

有利なディストリビューションを最大限に活用し、
 ダミーでもう1枚をラフし、
・エスタブリッシュしている♠9で♣を1枚捨て
 ました。

次はダミーからのリードで、
残っているカードは右上図の通りです。


・パロットはダミーから♣3をリードしました。

今度はトビアス修道士が考える番です。
パロットは間違いなく切り札のAとKを持っているだろう。
切り札で4勝するのを止める唯一の方法は、
リードをアチュオタに勝ってもらうことでした。
即ちTで勝ってもらい、切り札の逆狩りをすることです。

・トビアス修道士が出したのは、♣5
 最善を期待しましたが、トリックを勝ったのは
 パロットの♣Tでした。

・クロスラフでさらに4つのトリックを勝ち、
 予想外に合計12トリック、5x、6メイク
 1050点となりました。

AKQを持っていて、Tに勝たせたのか?」
「そんな馬鹿げたプレーによく気づいたな!!」とアチェオタ は叫びました。

パロットは軽蔑の目で左を向きました。
「君はトビアス修道士がをプレーしたポイントに気付いていないのは明らかだね」
と彼は断言しました。
「僕がTを持っていたのはある意味不運だったが、素晴らしいディフェンスだったよ」

「1050点取られるのが素晴らしいプレーか?」
「そんな素晴らしいプレーはしなくていいよ!」
とアチュオタは叫びました。

アチュオタは暗闇の中へと怒って去って行き、
ルーク修道士は同情的にトビアス修道士の方を振り向いて言いました。
「彼には礼儀というものがまったくないんだね」
「全体的に彼とはどうだった?」

トビアス修道士はスコアカードに指を走らせ、
「平均くらいだと思います」
「予選通過の可能性はありません」と答えました。