Part2 アフリカでの幕間
 Part2-10 トビアス修道士の素晴らしさ(2)

残り1ラウンドで、パロットとルーク修道士は確実に地域決勝に進出するかに見えました。
パロットが顔を上げると、最後の対戦相手の2人がテーブルに近づいていました。
それは、トビアス修道士と、自分の能力を過大評価している16歳の不愉快なアチュオタでした。

下図が新しいラウンドの最初のボードでした。

 North ーSouth game
 Dealer South

コントラクト:6
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ルーク修道士は「昔ながらの」2とジャンプシフトでレスポンスしたので、ビッドはのスラムに向かってスムーズに進みました。
他のNのプレーヤーは1とレスポンスし、パートナーが2とリビッドしたので、その後スラムに到達できませんでした。

アチュオタは明らかに良いリードとなるスートは持っていませんでしたが、結局に落ち着きました。

・オープニングリードは、

パロットはまるで毒虫のように2を見ました。
おそらくシングルトンだろう。
その場合はコントラクトがメイクする可能性は殆どなさそう。
すぐに切り札を狩ったら、エスタブリッシュしたを取ることができません。
切り札を狩らなかったら、のラフに苦しむことになります。

まあ、ほんの少しだけどチャンスはありそう-それはEが♠Kxまたは♠Qxを持っている時。
ディクレアラーがダミーから♠Jをリードすると、♠Tのルーザーを1枚捨てることができます。
しかし、パロットはこのアイデアを却下しました。
6枚を持っている時、アチュオタは自動的にウィークジャンプオーバーコールをするだろう。

もしリードがシングルトンなら、コントラクトはダウンしそう。
2~3枚のからのリードは殆ど考えられませんが、 Wがを4枚持っている可能性はあります。

・オープニングリードは、
 パロットは、ダミーから8をプレイ
 Eのトビアス修道士は、Tを出しました。

トビアス修道士は、このトリックをTで勝ちましたが、殆ど信じられませんでした。

しかし、これでコントラクトのメイクは確実です。
Eはもうを出せないので、 ダミーへのエントリーとなるディクレアラーのを無くすことができませんでした。

・Eは♣Kをリターン
 パロットはこれをハンドの♣Aで捕らえ、
 コントラクトはメイクしました。

「Nはをビッドしている」
「何と愚かなオープニングリードだ」とトビアス修道士はパートナーのアクオタに抗議しました。

「私のハンドから何をリードしたらいいんだ?」とアクオタは質しました。
が良いように見えるけど」とトビアス修道士。
「それなら、♣をラフするよ」とパロット。

「じゃあ、だ」と、イライラを隠せないトビアス修道士。
「いや、それはダメだ。ディクレアラーはを1枚捨てることができる」

「もし切り札がリードされたら、私は切り札を狩り切って、ハートを1回ダックしますよ」とパロット。

スコアシートを見ると、1370点 は他の1組のペアと一緒にトップであることが分かりました。
他のペアは、のコントラクトで11トリックを取り、ゲームはメイク、スラムはダウンでした。

「今夜は典型的な幸運だ!」とトビアス修道士は大声で叫びました。
はペアでボトムの可能性があったが、
4-1ブレイクだったので君たちがトップになった」

トビアス修道士はスコアカードのマイナス欄に判読不能な落書きをしていました。

パロットとのセッションをとても楽しんだルーク修道士は、最後のボードをテーブルの上に置きました。