Part2 アフリカでの幕間
 Part2-10 トビアス修道士の素晴らしさ(1)

トビアス修道士は、個人選手権で呪術医に次いで僅差で2位になって以来、機嫌が悪かった。
ノックもせずバナナヤシで葺かれた風通しの良いパロットの小屋に入り、大股で歩き回っていました。

「来週の全国ペア予選の座席配置が手に入った」
「あなたはE-Wラインのペア1です」
「強いペアはすべてN-Sです」
「よかったね」
「誰とペアを組むの?」とパロット。

「勿論、あなたとですよ!」とトビアス修道士。

「ルーク修道士と約束しているんだけど!」
「言ってなかった?」とパロット。

トビアス修道士は小屋から飛び出しました。
ちくしょう!、こんなに差し迫って、いったい誰と組めばいいんだ?

翌火曜日に、予選レースが本格的に始まりました。

 Game all
 Dealer West


コントラクト:5♣
=====
パロットはルーク修道士の4NTのコールが、何を意味しているのか分かりませんでした。
テイクアウトだと思われますが、3つのスーツ全てなのか?、それともマイナーだけなのか?
パロットは5♣をビッドして、これが最終コントラクトになりました。

・呪術医はシングルトンのをリードし、
 ダミーのAが勝ちました。
・パロットはTで上手くフィネスし勝ち、
・ハンドから♠をリードし、ダミーでラフ、
・次に♣Aと♣Kをキャッシュし、
・ハンドの♠をもう1枚ダミーでラフ、
Kをキャッシュ、
 それに全員フォローしました。

残ったカードは以下の通りです。



パロットは止まり木の上で前後に体を揺らしながら、深く考え込んでいました。
今、AとJを出せば、 ムボジは2ラウンド目をラフしてを2枚キャッシュするだろう。
Kを出して,を捨てるのはどうだろう。
そうだ、その方が良さそうだ。

・パロットは♠Kを出し、
 Wの呪術医が♠Aで勝ち、
 ダミーからは6を捨て、
 EはQを捨てました。
・Wは♠をもう1枚プレイし、
 パロットはハンドでラフし、
 ダミーから最後のを捨てました。

これでを出して大丈夫!
・パロットはを出し、
 ダミーのAをEがラフしましたが、これが
 ディフェンス側の最後のトリックでした。
・残りは、ダミーが全てハイカードです。

「賢いプレイだったよ、相棒」とルーク修道士は祝福しました。
「3枚ので4NTをビッドするのは嫌だったけど、リスクを冒さなければならなかったんだ」

「3つのスーツどれでもよかったんですね!」と
パロットは答えました。
「私たちは幸運でした。
 それを知っていたら5をビッドしたでしょう」

「5をビッドしたかもしれない!?」とムボジ。
はK-Q-Tの5枚だったんだ」