Part2 アフリカでの幕間
 Part2-8 ケトゥーミ夫人のハットトリック(2)

次の対戦は、ケトゥーミ夫人とパロット(オウム)のペア、トビアス修道士とアチュオタのペアになりました。

 North-South game
 Dealer North


コントラクト:3NT
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パロットはケトゥーミ夫人の個人的なビッドスタイルを知りませんでした。
そのため3♣のサインオフが分かりませんでした。
それでコントラクトは3NTまで進んでしまいました。

・若いアチュオタのオープニングリードは
 ♠6です。

パロットはダミーに座っているケトゥーミ夫人に
「あなたのビッドシステムはちょっと難しいね」
と言いました。

ケトゥーミ夫人は厳しい口調で
「私は自然にビッドをしています」
「3♣はリミットのビッドで、10~11ポイント
 程度を示しています」

と答えました。

「しかし、あなたの最初のビッドは2♣でした」
とオウムは主張しました。

「それば、1♣のオープニングビッドなので、
 ショート♣に備えてです」
「とにかく、次の機会に3の代でリミット
 ビッドをすることで、強さに余裕のあること
 を示します」

と夫人は説明しました。

パロットは、これ以上のやり取りを諦めて、プレイに注意を向けました。

・パロットはダミーから♠5を出し、
 トビアス修道士はEから♠Tで上手く対応しま
 した。

トビアス修道士はスーツに2つの確実なエントリーを持っており、 ディフェンス側がで3勝とで2勝の可能性が高いと予測していました。

ただし、第1ラウンドでSののストッパーを強制的に排除できればの話です。
♠Tのプレイは、ディクレアラーのJxxの場合、1リックを損をする可能性はありますが、そのリスクを冒す価値があると考えました。

・パロットはEの♠Tをハンドの♠Qで勝ち
・その後、♣Aをキャッシュし
・続けて♣をプレーしました。
 Wのアチュオタは♠2をディスカードし、
 トビアス修道士を驚かせました。
 ダミーからは♣Qを出し、
 Eのトビアス修道士が♣Kで勝ちました。

・トビアス修道士は♠Kを返し、
 ダミーの♠Aが勝ちました。
・次のラウンドでダミーから再び♣をリード。
 Eが♣Jで勝ちました。
・Eは♠をリターンし、Wが勝ちました。

アチュオタがを1枚捨てたため、ディフェンダーは2枚と2枚しか取れませんでした。
パロットは9トリックを取り、3NTジャストメイクで終了しました。

のディスカードは自殺行為だ!」
♠Tのプレイを見つけたのはおそらく私だけだっ
 たのに、何て勿体ないんだ。」
とトバイアス修道士は言い放ちました。

♠Kを持っているとどうしてわかるんだ?」
「サード・ハンド・ハイを聞いたことないのか?」
「それは難しすぎるのか?」
とアチューオタは軽蔑して尋ねた。

「私が最初に♠Kを出せば、簡単にメイクするよ」
「私がサードラウンドのを勝った時、リターン
 するがない(Wに勝ってもらえない)」
とトビアス修道士は答えました。

♠Tをプレイする前に躊躇さえしないのなら、どうやって♠Kがあると読めるんだ?」
とアチューオタは叫びました。

トビアス修道士は顔をしかめて言いました。
「時々、何故こんなことで時間を無駄にしない
 といけないのか、と思うことがある!」