最終ラウンドは、修道院長が最強のペア、ルシウス修道士・パウロ修道士、と対決するものでした。
次のハンドは以下の通りでした。
Ease-West game
Dealer East
コントラクト:6♠
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・楽観主義のパウロ修道士は、いつものように
自分のハンドを見て、3回目のターンで4♠に
ジャンプしました。
・その後、Nのルシウス修道士は6♠をコール!
・オープニングリードは♦J
デクレアラーのSは、ハンドの♦Kで勝ち
・続いて、切札を狩り始めました。
その第1ラウンドでWから♠Qが出ましたが、
トランプ狩りを続行し、第4ウンドでEに座る
修道院長の♠Tに負けました。
・続いて修道院長は安全と思われる♥をリード
パウロ修道士はそれをダミーの♥Kで勝ち
・♥Qもキャッシュしました。
・そして、最後の切り札もキャッシュしました。
この時点のハンドは右上の通りす。
・♦のガードを持っているのは、間違いなくW
・もしWが♥のガードも持っていれば、
♣Aを取った時にWはスクイズになっています。
・トランプ狩りの時に、Wは♥3を捨て、
続いて♥6、♥Tと捨てました。
・♥のガードを持っているのはEの可能性が高く、
そしてダブルスクイズが効く可能性も高い。
次のリードはダミーからです。
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・Sのデクレアラーは♦Qをキャッシュし、
Eは♣を1枚ディスカード
・次に♦Kでハンドに戻り、
その時Eはもう1枚♣をディスカード
・今度は♥Aをキャッシュします。
その時Wは♣を1枚捨てざるを得ません。
(♦を捨てると、ダミーの♦がエスたります)
ダミーからは不要になった♦7を捨てます。
・「まあ、この手はちょっと運が良かったかも
しれないね」と言いつつ、
♣Jをテーブルに出し、
「♣Aを頼むよ、パートナー」
「間違っているかもしれないけど、♣は
夫々1枚であることに期待しているよ」
この予言は的中し、ルシウス修道士はすぐにスコアシートに輝かしい980点を記録しました。
パートナーのザビエル修道士は修道院長に同情的な微笑みを向けて言いました。
「そうですね、あなたにとっては難しいですが、
良いディフェンスがありました」
修道院長はテーブルの向こうから
「どういう意味ですか?」
ザビエル修道士。
「切り札で勝ったら、♣を出さなければダメです」
「ダミーに♣Aがなければスクイズはできません」
「ああ、そうだ! ♣のリターンだ」
と修道院長は重々しい声で言いました。
「では、振り返ってみましょう。
Sのパウロは♣以外の11ポイントと、
クズの♠を3枚を持っていました」
「それでも、彼は4♠にジャンプしました」
「ここで、Sが♣Qを持っていないことに
気付くべきでした」
「そのディフェンスを見つけるのは難しいですよ、
修道院長」
「非常に優秀なプレヤーであってもね」
とNのイタリア人シリウス修道士が言いました。
パウロ修道士の機知をあまりよく思っていなかった修道院長は、
「当然、♣のリードに切り替えることも考えたよ」
「しかし、たとえ世界で最もオーバービッダーが
私の左側にいたとしても、♣Kの下からxを出す
ことは、とても良いプレーとは思えません」
修道院の用務員を務めている年配の非プレーヤーが修道院長に、
「あなたに会いたいという訪問者が来ています」
修道院長はカードルームから急いで出ていき、
ドアの近くのゴミ箱にスコアカードを捨てるため
だけにちょっと立ち止まりました。
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