Part1 聖ティトゥス修道院にて
Part1-5 ジェイク修道士の最後のラバーブリッジ(2)
修道院長は、ここ数ボードはあまり良くない流れだ、と考えていました。
North-South game
Dealer North
・マイケル修道士のオープニングリードは♠、 ディクレアラーの修道院長はダミーで勝ち ・切札の♥を出しましたが、Eはショーアウト
修道院長は突然、診療所が暑すぎることに気づき、椅子に座り直しました。
どうしたらいいだろう? 3ラウンド目の♠が勝てないことは明らか。 ♠と♦で5トリック勝てれば、切札で4勝と1つラフで合計10トリックになり、ジャストメイクです。 ・次に2回目の♠をキャッシュ、勝ちました ・その後、♦をQAKと3回プレーしました ・Wは最後まで♦をフォロー、 ダミーからはウィナーの♠Qを捨てました。 |
修道院長は、この最終ポジションで更に4トリック勝つ必要がありました。
・修道院長は最後の♠6をリード、 Wは、ダミーの切札♥8でこのトリックを 勝たれるのはイヤなので、 Wは♥Tでラフ、そしてディクレアラーは ダミーの♥Qでオーバーラフとなりました。
Wの切札♥9に対して、フィネスをしたいのですがハンドに戻るエントリーがありません。
・それで、修道院長は♣をリードしました。 エールレッド修道士はそれを♣Aで勝ち、 ・続けて、♣K、Qと勝ち、 ・更に♣Tと続けましたが、 修道院長はこれを♥Kでラフ、 ・ダミーの♥8でフィネスをすることで、 4♥はジャストメイクになりました。
修道院長は勝ち誇ったようにジェイク修道士を見て言いました。
「なんと素晴らしいプレーでしょう」 「4♥、ジャストメイクです」
ジェイク修道士は、あまり感心していない様子で、マイケル修道士の方を向いて、
「♥は何枚持っていましたか?」 「5枚持っていました」とマイケル修道士。更に 「私達の-620点は良い結果だと思います。 殆どのディフェンダーは私のハンドではダブルを 掛けるでしょう」
「修道院長、♥は4枚しかなかったのですか?」 ジェイク修道士は叫びました。 「2♥は酷い、ネガティブダブルでしょう」 修道院長は状況を考えて、友好的な笑顔を浮かべ、 「ネガティブダブルを知っているか分かりませんでした」と彼は答えました。 「普通のビッドの方が安全だと思ったので」 「ノートランプの方が安全だったよ」ジェイク修道士は答えました。 彼は動揺した様子で首を振った。 「もしネガティブダブルをしないなら、2♠とキュ ービッドをすべきです。強さを示すビッドです。 それなら3NTになります」 |